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ウィングが目覚めたという知らせはドリフトに届いてはいた。 だが、 ドリフトはそれどころではなかったのだ。

「いつになったら飛びたてる?」

憔悴しきったラチェットの言葉に、 ドリフトは首を振った。

「わからないんだよなあ…」
「… とりあえず傷を負ったものの治療が先決か」

ラチェットは深々と排気をついて、 その場を後にする。 残されたドリフトは一つ排気をついて、 言った。

「こんな星って… なかったよな?」

磁気嵐にまきこまれ進路を喪ってしまったロストライト号はとりあえず不時着したもののこんな星はどこの星系にも属していないはずであった。 そもそも、 不時着できるような星がこの辺りにあること事態がおかしいのだ。 こんなにも磁気嵐が吹き荒れているような場所で、 星が正常な状態で存在すること事態がおかしい。

「パーセプターいる?」
「ここにパーセプターを遥かに凌駕する天才がいるというのに声をかける相手を間違えているんじゃないだろう…」
「ああ、 いたいた。 この星ってなんなのかわかる?」

ブレインストームの言葉を無視したドリフトは、 奥に居る機体に声をかけた。 声をかけられた人物であるパーセプターが答えるより前にブレインストームが言う。

「どうやらこの星は、 あまたの小さな星をあつめてつくった星のようでね、 つまりそれはわれわれのような知的極まりない種族の英知をあつめた結晶でできているとはいえ私にかかればこんな星をつくることくらい簡」
「宇宙船の動源に異常はみあたらない」
「え? あんなすごい磁気嵐の中を突破してきたのに?」
「私がみえているのかい??」
「いたのか、 ブレインストーム」

ドリフトの対応にブレインストームが口を開く前に、 通信が入る。

『動源はどうなんだ?』

ロディマスからの訴えかけに、 パーセプターは答える。

「動力源の不備はまったくみあたらない」
『あんなにすんげえ嵐でがんがん船ゆれたんだぜ? そんなんありえるか?』
「私もあまり信じられないが、 不備はない。 現状では今すぐ飛び立てる。」
『でも飛び立ったら、 また磁気嵐にぶつかってがしゃんだろ?ガード機能は使えんのか?』
「期待できない」
『んー…… じゃあ、 パーセプターとブレインストームはこの磁気嵐がやむ時を予測してくれ。 んで、 ドリフトは、 怪我してない奴らをスワーブんところにあつめてくれ』
「うん」

ぷちりときれた回線をみおくり、 ドリフトはパーセプターに言った。

「がんばってね」

ドリフトは今現在の状況をまとめはじめた。 激突の衝撃で怪我をしたものはどの程度なのか、 その中でも動きに支障がないものはどの程度でありその中でも素直に動いてくれそうなものはどの程度か… 旅にではしたがよくもこんな状況に二度もおちいったものだと思うも、 それよりも遥かにましなのは、 船が故障したわけでもなければ誰かが死んだわけでもないということであった。

「でも、 怪我人は多いなあ」

ドリフトは苦笑いをして、 ラチェットに思いをはせる。 ラチェットには申し訳ないが、 しばらく忙殺されるような日が続くことは周知の事実である。 あとで労おうと、 思いながらロディマスに伝える。

「六割がなんらかの怪我はしてる」
「六割… あー…… なんでそうなっちまったんだ?」
「私の話をきかないからでは?」
「近道だとおもったんだからしかたないだろ…、 実際ここにこんな磁気嵐があるなんてきいてなかったんだから」
「だからあれほど…」
「マグナス文句はあとだ、 今はとにかくさっさと磁気嵐がやむことをいのろうぜ。 ドリフト、 今どれくらいのやつが集まってる?」
「大多数は集まってる、 パーシーとラチェット、 ブレインストームにハイブロウは回線を開いておくように伝えたし、 でも… あの〜 いつものあの辺りは…」

ドリフトの言葉にロディマスはこくりとうなずき、 ウルトラマグナスははあと排気をついた。



鳳櫻月雨