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緑青色の大型機は銃弾がこちらに向かって飛んでくるのを感じる。 相当な手練れだと聞いていたがまさかここまでだとはと排気する。
デッドロックの戦う様などまじまじ見たことはない。 それもそうだろう。 味方の戦いぶりなど知った事ではないのだから。 だが、 今回改めて敵対してみて気がついた。

「クソ、 場所がばれてやがるのか?」

舌打ちをして、 右に回り込む。 ここは廃屋ばかりだ。 下手に動けば足元の廃材が音をたてて居場所を知られてしまう。 故に、 なるべく静かに場所の移動を行っている。
だがどういうわけか、 デッドロックは動いた方向そのままに自らを狙ってくる。 さて、 どうするべきかと、 考え込み、 ふと足元を見た。
足元に散らばる廃材の欠片に一つ策が浮かぶ。 いくつか拾い上げ徐にばらまいた。 けたたましい軽い音が鳴り響き、 その瞬間に動き出す。
思い描いた通りにデッドロックが困惑し、 その隙に背後に回る。 今、一発打てばデッドロックは死ぬだろう。
だが、すぐに殺してなるものか。
デッドロックの暗殺に赴いた者は誰一人帰ってこなかった。それどころか、みな屑になっていた。
許すものか。この苦しみを。味あわせるまで。

「手え挙げて、こっち向きな」

にたりと自身の唇が弧を描くのがわかった。
やれやれと、言いたげにデッドロックが排気し振り向いた。 瞬間に消えた。

「な、なに!?」

と、 胸部に熱が走り、 耳をつんざくような音が鳴った。 驚いて振り向けばそこにいたのはデッドロックだった。
しまった、立体映像かと気づいたところで地に転がった。
意識が墜ちる、墜ちていく。

「さっさと撃ってりゃ立体映像って気づけたのにな」

そのまま、 なにも聞こえなくなった。




鳳櫻月雨