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カラカラカラと大きな音の次にタンと響いた銃声に激震が走る。 やったのか、 やられたのかと暗赤色の小型機は なるべく静かに、 音をたてずに場所を移動する。 ここからはそう遠くないはずだ。 熱源感知は当然ながら意味がない。 デッドロックしかり、 己とて熱源感知対策位してあった。 そして一つの懸念が浮かぶ。
一緒にいた見知らぬ機体の事だ。
その機体をデッドロックが庇うようにしたのを見て、 仲間かもしれないと、 仲間がいるなどと初めて聞いたと、 何れにしてもおいそれと連絡を取り合うわけにはいかなかった。 もし通信が傍受されていては、 皆の位置を教えてしまう。
焦らず、 そして慎重に事に望むしかなかった。
進むにつれて、 壁に銃撃の後を見つける。 この銃痕がどちらのものかはわからないが、 一つ言えるのはデッドロックは静穏機を銃につけていないのかということだった。
静穏機は付けるだろう。 もしつけないのだとしたらその理由は、 位置を教える為だ。 だとすると、 先程の銃撃音は味方のものだろうか。
一つ大きな部屋に入り込む。 石造りのその建物は、 教会かなにかだったのか、 大きな柱と石の絵が飾られていた。 神々しそうに描かれた絵は、 一体の機体がもう一体を抱き上げている、 そんな絵だった。
そして、 壇上に視覚器を写し目の前の光景に固まった。
「あ、 あ、 」
壇上にあったのは、 緑青色の大型機の頭だけだった。
「あ、 あの、野郎!!! 死者を弄びやがった!!!」
憎悪に機体中が包まれた。 震える手で、 その頭を抱き上げる。 この機体が呆れたように笑う顔が浮かぶ。
憧れと尊敬、 そして好意がない交ぜになったこの感情の名前は知らない。 だがこんなに殺意に芽生えることなど遠くなかった。 今はデッドロックを殺したくてしかたがない。
ぎゅうと、 胸に抱き締めた。 せめて、 これは持ち帰らなければいけないと、 背を向けて歩き出す。 その瞬間だった。 轟音がした。 ガラガラと天井から石の塊が落ちてくる。
「な、 まさか……!!」
建物ごと爆破されたのだと気づくのに時間はかからなかった。脱出しなければと、 走り出すも、 もうすでに後ろは崩れきって、 出入口にはたどり着けない。
どうするのかと、 回りを見て何故か石絵が視覚器を奪った。 崩れる柱と己にむけて倒れてくる石絵に、 ふと昔の話を思い出す。
「俺はあなたがいたからディセプティコンに入ったんですよ」
「なら俺は、 テメェの手本だな」
そのままなにも考えられなくなった。
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