3
パーセプターの言葉にドリフトはしばらく沈黙を続けた。 その沈黙をどうとったのか、 パーセプターが言葉を続けていく。
「この磁気嵐は誰かが意図的に起こしていると思われる。」
「なんのために?」
「そもそもこの星は地図に載っていなかったとロディマスは言っていた。
そして磁気嵐が吹きすさんでいるらしく誰もこの付近の宇宙域を通ろうともしなかったとも。
周辺の情報を調べたところ、 確かにこの付近は頻発して磁気嵐がおこる時空間の不安定な場所らしい。
だが、 以前この辺りには大なり小なりの星は存在していた。 その星が幾ばくか後から忽然と姿をけしている。
ある日突然だ。
その理由が気になり探りを入れてみたが、 どうもはっきりとした情報はでてこない。
私が調べた中では、 磁気嵐の猛烈な流れにより星の衝突がおき、 それ以来この空間に星は存在しないという情報だけであった。
だが、 磁気嵐自体は磁場の不安定な星が多い場所にのみ起こる特殊な現象だ。
これだけ頻発しているのが、 時空間の不安定なだけだということでは考えにくい。
そこで、 何が空間のゆがみになっているのかこの星の磁場の関係を調べてみたがこの星はいたって普通の星で、 単体では磁場を歪めるような力はない。
さらに言ってしまえば、 この磁気嵐の波数は全く乱れがなく、 常に一定の力で吹いている。
自然現象だといってしまえばそれまでかもしれないが、 こんなに強い磁気嵐が吹き荒れているならば我々は今頃宇宙空間に再び放り出されている。
だが放り出されていないということは、 この磁気嵐はこの星の表面ではなく、 その上の宇宙空間にのみ吹いていると言うことが言える。
磁気嵐を操っていること意外にこの星で我々が、 足をつける理由はない。
以上の事から、 あの磁気嵐は何者かが故意的に起こしているものだと私は判断した。」
再びドリフトは首をかしげた。 パーセプターの言わんとしていることがわかりそうでわからなくてもやもやする。
「つまりどういうこと?」
正直に聞いたドリフトにパーセプターはこくりと一つうなずいた。
「恐らく、この星には何者かが住んでいて、 その何者かは我々の着陸を全く歓迎していないと言うことだよ。 」
パーセプターのわかりやすい説明を咀嚼して、 理解してからドリフトはつぶやくように言った。
「つまり今そとに出て行ったみんなが何らかの危険にさらされてるってこと?」
「そういうことだ」
「んでもってその相手がどんな人物か、 わからないってこと?」
「ああ」
その返事を聞くや否や、 ドリフトはロディマスに連絡をとろうとする。 だが、 遊び(本人曰く星の調査)に出ているロディマスには案の定連絡がつかない。
仕方なしに、 ドリフトはウルトラマグナスに連絡を取る。 きっちり三回の呼び出しでウルトラマグナスは応答を返した。
『何の用事だ!以上!』
「ああ、 ウルトラマグナス!今ちょっと」
『戦闘中だ! 用事は後にしろ! 以上』
ぶちんと切られた連絡に、 ドリフトは卒倒しそうになる。 ウルトラマグナスの言葉から、 何者かと戦っているのはわかるし、 背後に聞こえた音に相手が一人ではないことを悟る。
いかねばならないと、 ドリフトが部屋を出て行こうとしたが、 パーセプターは至極冷静に言った。
「君はロディマスから留守を預かっているのだろう?」
「そ、 そうだけどでも俺が行かなくちゃ」
「敵の数も武器もわからないのに、 ロストライト艦内を誰もいない状況にもできないはずだ。 君はここに残って艦内に残っている全員を戦闘配置に就けることが最優先するべきことだ」
パーセプターの言葉に、 ドリフトは一時考える。 たしかに、 パーセプターの言っていることは間違いではなく正しい判断であった。 ロディマスに留守を任されている以上、 拠点となるこの艦を奪われるわけにはいかないのだ。
だが、 今すぐ駆けて行きたい気持ちも山のようにある。
「皆を呼ぶのは私がやる」
「パーセプターが?」
「これでも私はなかなかやれる方なんだよ」
「じゃあパーセプター頼むよ、 俺はこっちで警備するから」
ドリフトは排気をついてから、 パーセプターに任せて席をたった。 現在、 艦内に残っている者がどれだけいるかは知らないが、 緊急体制を整えるための警報を発布する。
「何があったっつーんだヨ!!」
「ホワールいたのか!?」
「珍しくいたんだけどなァ」
反応したホワールに、 ドリフトは短く伝える。
「後尾扉の警備を頼めるか?」
「何から守れって?」
「わからない。 いいから行ってくれ」
さてドリフトはすっかり忘れていた。 このホワールが指示に従うかどうかは全くの未知数であることを。
「頼んだ!!」
ホワールは、 ドリフトの背を見送り艦先へと向かって変形して飛び立った。
「後尾、後尾、 後尾はドコかねぇ」
―――――
→