「そっち、さわんないでってばぁ!」 ウルトラマグナスは困惑していた、 ロディマスと機体を重ねるのははじめてではないし、幾度も重ねてきたのだが… 如何せんロディマスは接続機を触れると嫌がる。 理由は分からない。 「ロディマス、 」 「うう、 だめだ、そっち…… 」 何時もならば、 直ぐに離すのだ。 しかし、 彼が嫌がる理由は一度も聞いたことがない。 ――― 気になる。 ぬるりと指を這わせば、 ひゅっと喉奥で声がした。 「ロディ、 君はいつも嫌がるが…… 理由はなんだ?」 「う、 うるさい、 離せよっ、 だめ、ほんと、だめ!!」 後ろから抱えて…、 こういうときは、 身長差があがりたいと思う。 じたばたと暴れたいであろうロディマスを封じ込め、 接続機を弄る。 「やだ、っ…、まぐなすぅ!!」 「何故だ? 理由があるだろう」 「い、 いいたくなっ…ぃ! あぁ、 ほんと、だめ、ぇ…!」 繋いだ回線は、 動的ではあるが別段それ以上の乱れはない。 本気で嫌がっているわけではなさそうだと、 ウルトラマグナスは判断を下す。 さらに、 好奇心がわく。 「ロディ、 言わなければ分らない」 「いえない、だめ、ほんとに、あ!!」 泣きそうになりながら、 ロディマスは否定する。 逃げようとがんばるロディマスだが、 到底できっこない。 「…… ロディ」 「うぅ、…… だめ、まぐなす離して、いくところある、!」 「どこへ?」 こうなればもはや意地に近い。 ぬるり、 とロディマスの接続機を擦る。 さあ何がだめなんだ。ロディマスの頬に雫が伝うが、 それさえも可愛らしく見える。 「やああぁ、ふぁあっ、ああ、まぐ、だめやだあぁ、」 「… ロディ」 「だめ、いや、ああ、ふっ、ひくっ、やらぁっ、、でちゃあっ、やあぁ!!」 ぴた、と手を止めた。 ロディマスが肩で息をするのがわかる。 「生殖油のことか?」 「ち、ちが、え、、 ぇ、…あ…、 」 「ロディ?」 ロディマスが、 言い淀みながらみるみるうちに頬を赤く染めていく。 ロディマスを解放し、 ウルトラマグナスは自分に向き合わせた。 「ロディ、 何が言いたいんだ?」 「ぅ、っ、 えっと… 」 出るとは、 なんだろうか。ロディマスは先程、生殖油の事は否定した。 さて、 何だろうか。 考え込むウルトラマグナスに恥じらいながらロディマスがぼそっとなにかを呟いた。 「何?」 ロディマスの呟きがあまりに小さくて聞こえない。 聞き直せば、睨み付けられた。 「だからっ、…、は、」 「は?」 「ああもうっ、だ、だから廃液出そうになるっていってんの!!」 廃液が、出そうになる。 そう言われた瞬間の衝撃は凄まじかった。 「だから、だめだってば」 ロディマスの話が耳に入ってこない。廃液が出そうになる? その衝撃的な一言に、 ウルトラマグナスはぼんやり思った。 ロディマスのそんな姿を見てみたい、 と。 その思考に慌てて首を振るった。 「… おい、? マグナス、 聞いてる?」 「ああ」 「…だから… だめだって分った? マグナス?」 この気持ちは、 しまっておこうとウルトラマグナスは思った。 ロディマスは嫌がっているのだ。 自分だって、 そんな姿を見られたくない。 「悪かった、 なら、 覚えておこう」 「うん…… 」 その日以降、ウルトラマグナスはもんもんと考えていた。 それはそれは、 ぐるぐる、 ぐるぐると。 そのたびに猛る己の欲求と戦う。 だが言えるわけがない。 ロディマスが廃液を漏らす所が見たいだなど。 そして、 そんな欲求を打ち明けられるような友人もいなければ、 いたとしても、 共感は得られないだろう。 今、 脳裏を覗かれたら非常に不味い。 なるべく考えるのを止めようと、 ウルトラマグナスは目の前の仕事に打ち込んだ。 幾ばくかが過ぎてロディマスの元へ、 次のルートを決めるための話をしようと訪れたときだった。 「…… マグナス、 すんごい仕事してるな」 「ああ、 使いっ走りにされるのは俺なんだから、 やめて欲しい」 「むっつりすけべだからなぁ、 なんか考えてるんだろ」 偶然、 私的な会話を耳にしてしまった。 むっつりすけべと言われて、 軽く衝撃を受けるが謙遜ない言葉だと思う。 …… だが踵を返した。 → |