独り占めしたいから
「そういえば今日ね、調理実習があって」
「そーなん? うれしぃわ〜、ありがとう」
「は?」
「え、この流れはあきらかに『調理実習で作ったの、食べてね☆』やろ。せやからありがとう、おおきに。ごっつぉはん」
「いやいや、ミートソースだし持ち帰り不可だし」
「なんやろかー。期待してもうたやん。責任とってや、水沼さん」
「責任て」
「今度直々に作って食わしてください」
「かまいませんけど、どこで作るんです志摩さん」
「それはえーと、調理実習室」
「無断で?」
「ほんなら旧男子寮の厨房借りましょか」
「あぁ、奥村くんたちのいる」
「はいはい」
「じゃ4人分か」
「あ、それ微妙やな。今、奥村くんらの分も入れはりました?」
「そうですね」
「微妙やわ。水沼さんの手料理を男3人でシェア、あきまへんな」
「あきまへんか」
「あきまへんわ。どうにか俺1人分にはならへんかいな」
「悩むのは自由だよ、少年。存分に悩みなさい。それでね、調理実習があって」
「どないしたらえぇんやろか……なんとか俺1人で」
「三輪くんがお隣の班だったんだけどね」
「あぁ、子猫さん、同じクラスやったもんね」
「うん。それでね、三輪くんが玉葱をみじん切りにする係やってたんだけど」
「ジェラシーやわぁ。なんで俺と水沼さん、違うクラスなんやろか」
「なんかすごく可愛かった」
「…はい?」
「うん。いや、それだけなんだけど」
「なんやのそれ、もぅ」
『独り占めしたいから』
(夢:やっぱり志摩くんは、女の子の手料理って)
(廉:たぎりますわー、もぅムッチャたぎります)
(夢:ですよね。私も、男の子の手料理って結構たぎるかも。志摩くんの手料理食べてみたいな。今のうちにしっかり練習しといてください)
(廉:! 水沼さん、それってプロポーズですやろか…/////)
(夢:あれ、そう聞こえた?)
(廉:………いややわ、もぅ)
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