“……よく分かった
ではここの事を説明しよう”

男性は腕を組み、表情は柔らかな顔をしている

“ここは閉ざされし宮殿
もう誰もいない世界なのだよ……”

森で覆われていそうな宮殿 誰も目を向けず
ただ寂しそうに 宮殿が建っている

崩れることもなく

“この鏡はこの宮殿の過去と今を繋ぐのだ”

そんな場所なんだ……

空もまるで現実ではないようだ

“僕の存在はね……”

言葉はそこで途切れた

そして綺麗に繋ぐ 過去と今の場所も

“……さようなら アステリア”

私の名を呼んだのが分かる

最後の男性の声は

“まだ知ってはいけない 存在は” 

急に途切れた 今と過去

私はあの鏡の前で建っていた

ぼんやりと……

また わずかな光がこの宮殿を照らすだけ

何なのかしら ここ

しかも……むせるわ

少女はむせながらも次の場所へ歩を進める

わけの分からない場所に翻弄されつつも……

               終


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