…
引きずり込まれた もうひとりの私に
知らない世界へ導く
鏡の泉
溺れていくもうひとつの世界
身体を預け、目を閉じ
そこで見たものは
白く儚い 天国のような場所
白い地面のフィールド
それに反して咲く 灰色の花
“どうやって迷い込んだんだい?”
ふわりとした男性の声に耳を傾ける
誰なのだろう そう思った
綺麗に揺れる花と風
私は揺られるがままに口を開いた
“突然”
その言葉しか無かった
そう答えればさっきの声の主は現れて
私の顔を見て微笑んだ、綺麗な顔をして
白いコートに身を包んだ男性は私に手をさしのべた
“永遠に眠りたいと思わないか”
“思わないわ”
何を言うのだろうか
その選択肢にはたどり着かない
そう言われば男性は私を抱きしめて……
“そんなことを聞いてすまない
君は一体どこからやってきたんだい?”
“私は王国から逃げ出してきたのです”
……そう
……もう王女として羽ばたきたくなくて
羽を休める場もなくここに来たのだから
私は休息が欲しかった、それだけなの……
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