部屋に戻ってから、とりあえずお風呂に入りました。
諸々煙かったりしましたのでね。
おかげで綺麗さっぱり良い気分です。
あたりもすっかり静かになり慣れ親しんだ静寂が実に心地良いですねえ。
忍たるもの、静寂を好み宵闇を味方にしなければ。

縁側から夜空を見上げれば満月に程近い月がちょうど真上にありました。
いやー見事ですねえ……思えばこんな風に夜を穏やかに過ごすのも久し振りです。

と言うのも、ここ最近まで長期の御使いに出ていたんですよ私。
昼頃帰ってきまして、学園長先生へ報告。
一段落ついたところで再び呼び出されて賊退治へと赴き、一年生に遭遇したんですよねえ…。

それから学園に戻ってきて学園長先生に報告すれば支援委員会委員長に任命。
部屋に戻れば穴に落ちた三反田君に遭遇。
彼を保健室に連れていけば散々な状態の保健室の片付けを手伝いましたね。そこで伊作君とも久し振りに会いましたっけ。
わりと久し振りだったと思うんですが…最後に会ったのは五年の昇級試験の時だったと思います。
ついうっかりプロ忍に見つかって大変だったんですよねえ。

でもなんとか太刀打ちできる程度の相手で助かりました。
ほら、プロもピンからキリまでありますからね?
みんながみんな凄腕で天と地ほど実力に違いがあるわけでもないんですよ。
私なんかでも戦える方もいるんですからそこは幸運でした。

それから猪名寺君と食堂へ行って留三郎君と会ったんでしたね。
留三郎君とはあまりお話させてもらったことなかったと思うんですが…。
やけに友好的でちょっと驚きました。
…もっと驚いたのは勝負を挑まれたことですけど。
何か不興をかったわけではなかったと思うんですがねえ…まあいいですが。

で、今に至ると…自分で言うのもなんですが、わりと目まぐるしいですねえ私。
しかし学園長先生から御使いも免除されましたし、今後はきっとこんな穏やか時間が増えていくんでしょう。
……しばらく慣れそうにないですけど。

とりあえず。「………寝ますか」

明日は一日休みですし、ちょっとぐらいだらけてもバチは当たらないですよね?
ぐっすり眠れるなんて贅沢な話です。

布団はまだ干さないと寝れる状態ではなかったので今日はそのまま板の間に寝転ぶことにします。
体を横たえて寝られるだけで幸せなので布団は今回我慢です。
明日も天気が良ければ布団干してしまいたいですねえ。
そうすれば明日はふかふかの布団で眠れるというわけです。
なんだか楽しみになってきました!

「おやすみなさい…」


天井裏の気配はもう気にしませんよ。
おそらくあの紺藍の彼でしょうから…寝首をかかれるようなこともないでしょうし。

勿論そうなったら私も起きますしね?




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