おはようございます。


と、言いたいんですがね?
あの彼、まだ部屋にいるんですよ。
ほぼ一晩中です…こうなるともう一度出ていってくれとも言えません。
私あんなに酷いことを言ったんですよ?
普通は気分を害して部屋を出ていくと思いませんか?
結局私も狸寝入りのまま…夢のような惰眠が見事に水の泡です。

彼は私のすぐ傍に座ったきり動いていません。
こちらを伺うようなこともせず……今度は一体何がしたいんでしょう?

今の時間は…日の出まであと一刻というくらいでしょうか?
んーもう寝るのは諦めてますし、徹夜くらいなんてことは無いんですがね?
彼、どうして此処にい続けるんでしょう?
何故彼が私を監視し、出てけと言ったにも関わらず出ていかないのか。

あ、もしかしてまだ監視されてるってことですか!

私どうしてそこに行き着かなかったんでしょう…寝ぼけてましたかね?
それにしたって、一筆書くとまで言ったのに駄目でしたか…本格的に私を追い出したいんですかね彼。
しかし私はこの学園の歴とした生徒ですから出ていく道理なんてありませんし。
私が生徒であることをどうやって証明してみせればいいんでしょう?
先生方に言い含めてもらうというのは後味が悪いですし…学園長先生のお手を煩わせるわけにもいきませんし…。


「……こと…た……か…」


ん?


「…俺のこと……忘れたんですか…」


…え?
もしかして私…彼と知り合いだったんでしょうか?

ま、待ってくださいそんな…え、知り合いですか!?
この学園の中で知り合いなんて本当に少ないにも関わらず顔を忘れている相手がいるだなんて…!
私、とんでもなく失礼なことしてしまいましたよね、これ。
知り合いだという彼に自分を殺したいのか、極力関わらないようにしてくれとか…。
挙句の果てに己の睡眠のために出てけと言ったも同然ですし…知り合いに出てけとは横柄にも程があります…。

しかしこの期に及んでまだ彼の名前も思い出せませんし、そんなに覚えの悪い頭だったとは自分でも驚きです。


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