先生方が何故静観を決め込んでいるのか気にはなりますが今更関係ありません。
侵入者の撃退を私に一任してくださったと考えていますからね。


さて、はじめましょうか。


まずは近場の気配から叩きましょう。
丁度生徒が並んでいるその後ろ、木の上で身を潜めているようですけれども、随分と無用心ですね?
地を蹴り走ってすぐさま木々に隠れた相手の目の前へ。

「私が届かないとでも思いましたか?」

速さには自信がありますからそこまであっという間もないんですよ?
懐に忍ばせていたクナイの柄を首に落として相手の体諸とも地面に叩き落としました。

まず一人ですね。

さて次は…屋根上ですか。
んーあまり手練れの忍とは思えませんねえ。
如何にも見つけて欲しいと言っているようじゃありませんか!
まあ先生方が生徒に任せる程度ですからそこまで手のかかるような相手でもないということでしょう。

木々を伝い壁を伝い屋根上へ。
相手も私が来ることを見越して臨戦態勢をとっていました。
……戦うつもり満々で待ち構えるなんて、忍んでおこうとは微塵も思ってないんでしょうか。
私も太刀に手を置き構えをとります。
相手の武器は…おや、流星錘ですか。
距離をとるのが難しそうですねえ。
さてどうしたものか…なんて考えているといきなり流星錘が飛んできました。
おお危ない!ぶつかったら痛いどころじゃすみませんからねこれ!

しかし、これは好機。

相手の方、あまりこの武器を使い慣れていないんですねえ。
手元に引き戻す速度が随分と遅い。
ここを狙わない手はありませんよね?
再び向かってくる流星錘を避けて引き戻される前に錘を繋ぐ縄を断ちました。
これで流星錘の意味がなくなりましたよね?
かなり重たい鉛を使っていたようで、屋根に落ちた錘がパキパキと小気味いい音を立てて瓦を割ってしまいました。
あーこれは後で直さないといけませんね…余計な仕事を作ってしまいました。

まあそれはさておき、武器を無くした相手はすかさず手裏剣やクナイを投げてきましたが…これなら避けるのに雑作もないですね。

即座に間合いをつめて鞘で頭を殴打してやりました。

「貴方も投擲武器は苦手なんでしょうね?」

手裏剣があらぬ方向へ飛んでましたからね。
私と良い勝負です。

さてあとは……一人ですね?
なんとも気配が薄いですし、先程までの二人よりは上手の方なんでしょう。
それにしても身を潜めている場所がなんとも悪趣味極まりない。

この忍、私の背後をずっと着いてきているんです。

私が木の上の忍と対峙したその時からいましたよね。
屋根の上で戦っている間も相手の忍の手助けをすることもなく私の背後をついて回るだけ。
んー何が目的なんでしょうか?
…まあそんなこと気にしたところで仕方がありませんね。
相手は正式にこの学園を訪ねているわけではありませんから、ただの侵入者です。

それならば、私がすることはただひとつ。

屋根の上から降りてみれば、生徒の大多数が足早にその場を離れていきました。
急に侵入者を退治しはじめるなんて思ってもいなかったでしょうから、皆さん驚いているんでしょう。

ですが場所が出来たことは幸運です。


「いい加減に顔を見せてはどうだい?」


思う存分、やれそうです。


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