障子を開け私と目が合うなり固まったのは、紺藍。

おや、彼は…もしや夜中の彼ではないですか?

「ああ、兵助じゃないか。どうしたんだ?」
「…っあ、はい!その、炭の備蓄の件で相談が…」

相談というと…明らかに私が邪魔をしていますよねえ、これ。
居心地悪そうに入り口に立ち尽くす状態にしておくのは可哀想です。
しかし外出届を貰わなければ私もここを立ち去ることが…っと、土井先生が筆を置きました。
流石土井先生!空気が読めていらっしゃる!

「ああ、それなら此処に…っと、私が先に見て確認してあるから、これの通りに炭屋さんに発注しておいてくれ」

外出届を畳む手を止めて、 徐に脇にある文箱から先生が取り出したのは小さな紙。
端書きのようでありながら丁寧に炭の量やら何やらが書いてありますねえ。
それを廊下に立ち尽くす紺藍の彼ー兵助君に差し出しました。
何拍か置いてから兵助君は慌てた様子で部屋に入ってくると、また慌ただしく紙を受け取り元いた場所へ。

え、どうしてここでまた廊下に戻るんですか?


「兵助、どうしたんだ?」
「いやっ、その…」

気まずそうに横に逸らした視線が一瞬だけ私を掠めました。
あー私がいるから話しにくいということでしょうか?
いやはやなんと言いますか、私も時機が悪かったんでしょう。

「先生、そちらを頂いてもよろしいでしょうか?」
「ああすまん、そうだったな」

申し訳なさそうに目を細めた先生が丁寧に折り畳んだ外出届をくださいました。
よし、これで出掛けられますよ!

「では私はこれにて。土井先生、ありがとうございました」
「道中気を付けて行くんだぞ」

土井先生からそう仰っていただくと一段と気合いが入りますねえ。
これはますます効率の良い買い物ができそうな予感がしますよ!

「邪魔をしてごめんね」
「え、あの…そんなことはっ…」

すれ違う最中声をかけるとなにやら狼狽している兵助君…体調でも悪いんでしょうか?
先程から落ち着かない様子ですし、やっぱりまだ私のことを誤解しているような気がしますよねえ。
本当に私なんかが彼を助けたなんてことはないのですが…。

まあ今はそれを確かめる時ではないのでしょう。
とっとと街へと出向きますよ!!




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