様々な衝撃を覚えつつも私は自室へと戻るため長屋を目指していました。

私の部屋は六年長屋の中でも少々辺鄙なところにありまして…学園長先生の庵からは一番遠くにあります。
競合地区にもほど近いためかあまり人がよりつきません。
おまけに隣の部屋は空き部屋で、その隣も空き部屋。
私の部屋は角部屋で同室の人もいないので…言わずもがなひとりぼっちです。
元より、自分の部屋とは言ってもほとんど使ってないような状態だったので人がいなくて当たり前なんですがね。


しかしながら学園長先生から支援委員会?の委員長に任命すると言われてから、いまだに気分が優れません。
体調が悪いのではなくて、こう…居た堪れないと言いますか、実感がないと言いますか…。
久々に食堂のおばちゃんのご飯を食べようと思ってたんですが、これは布団に直行したい気持ちです…おばちゃんごめんなさい。


常であれば忍びたるもの屋根裏使って部屋まで移動ーと思うところなのですが、今日ばかりは普通に廊下から。
そのぐらいの衝撃だったのです…わかってください…。

そもそもどうして私が委員長なんて拝命したのでしょうか?
しかもその場の思いつきと学園長先生の勢いに任せた形で。
支援委員会なんてこの学園に必要なんでしょうか…?

まあ学園のことを一年生と同じかそれ以下ぐらいしか把握していない自信のある私ですから、もしかしたら人手の欲しい先生やら委員会やらがあるかもしれないですしね。
今から弱音を言っても仕方がないです…やってみないことには始まりませんし。

それにこれも修行の一環と思えば苦にならないのかもしれませんし!

忍びたるもの、こうした状況にも臨機応変に対応できるようにならなければいけませんよねえ。



うわあああぁぁぁー……




なんて段々と気持ちが上向きになってきた頃、何やら急激に遠ざかる叫び声が聞こえてきました。

あー…もしかして、あれですか?

学園の情報に疎い私でも知っている、最近の忍術学園のお約束。
もしかしてそれにひっかかってしまった誰かの叫び声だったんですかね?

丁度私の部屋の方向から聞こえてきましたし、探してみましょうか。









はーい発見しました、穴。
しかも私の部屋のすぐ近くにありますよこれ。
一応競合地区からは外れているはずでしたが、誤ってここに掘ってしまったようですね。

しかも。

どうやら誰か落ちている様子…可哀そうにこんなところで落とし穴に落ちてしまうだなんて。
しかし人も滅多に寄り付かないこんな所にいるだなんて、何か探してでもいたんでしょうかねえ…?


そろそろと穴の中を覗いてみると、そこには大量の包帯が。


何故こんなところに包帯が…と思ったら包帯の影に萌黄色が見え隠れしていますね。
きっと先ほど悲鳴をあげたのは彼でしょう。

しかしながら包帯に埋まっていて顔まで見えないのですが…まあ私が知っている子だなんてことはありませんね。
第一に三年生に知り合いがいた記憶がありません…悲しくなんてないですよ別に…。





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