その後。
竹谷君からあれこれ教わりつつ何匹かの動物の運び出しをお手伝いさせていただきました。
おっかなびっくりな手つきで本当に恥ずかしいばかりでしたがね…私虫獣遁向いてないと思います本当に。
全ての動物を出し終えたところでいよいよお掃除開始です。
掃除に関しては私と上ノ島君が担当することになりました。
あまり広くはないので私一人でも大丈夫そうではあったのですが、小屋のことをよく知る人もいなければいけませんからね。

「じゃあ上ノ島君、何処から手をつけたら良いかな?」
「ではまず高いところからお願いします。僕は餌箱を洗ってきますので」
「わかった、そちらはお願いするね」

さて、頑張りますよ!
高いところといってもそこまで天井が高いわけではありませんからね。
それに忍たるもの、天井の高さなんて無いも同然です。

さ、始めましょうか?




「よし。上ノ島君、これでどうかな?」
「はい、完璧ですね!」

委員会の方からお墨付きを貰いましたからこれでお掃除完了です!
いやーそれにしてもこんなに拭き掃除をしたのは久方ぶりでしたねえ。
でも、なんだかとても清々しい気持ちになりました。
私の部屋も早いところ掃除しなければいけませんね…なんとなくまだ埃っぽいんです。

外で動物たちを見ていた竹谷君に声をかけるとひどくお疲れの様子だったのですが、何かあったんでしょうかねえ?
ともかく連れ出した時と同じように要領よく指示をしてくれる竹谷君に倣い、無事に動物たちを小屋へと戻すことができました。

「よし、鍵もしっかり閉めたからこれで掃除は完了だ!」
「「「わーいやったー!!」」」

「みんなお疲れ様。竹谷君、私はちゃんと手伝えてたかな?」
「そりゃ勿論ですよ!手伝ってもらって本当に助かりました」

竹谷君から合格点が出ましたよ!
これなら支援委員会の初仕事としては上々だったんじゃありませんか?
私が不馴れで手間取ることもありましたが、全てが一段落つけばそれで良しと言うことに…。

あ、まだお仕事があるじゃありませんか!!


「それで、伊賀崎君の手伝いは何をすれば良いのかな?」
「え、ジュンコを探すんですか?」

じゅんこ…?
え、あ、もしかしなくてもそれは伊賀崎君の毒蝮の名前なんですかね?
また可愛らしいお名前ですねえーそれだけ愛情とかけて育てているということなんでしょう。

生物委員会の皆さんに伺ったところ、ジュンコちゃんがお散歩と言う名の脱走を試みるのは日常茶飯事らしく、そんなに大掛かりに捜索することもないそうなんです。
だから態々私までも手伝わなくて良いと言ってくれました。
でも此処までお手伝いしたんですから、最後までやらせていただきたいのが本音です。

「大丈夫だよ、是非手伝わせてもらいたいんだけど…駄目かな?」
「いやーその、そこまで言っていただくと…」

「竹谷先輩、手伝ってもらいましょうよー」
「皆で探せばきっとジュンコも早く見つかりますって!」
「それに…建穂先輩が手伝ってくれたら…早く終われそうな気が、します…」
「それには僕も賛成です!」

おお一年生から後押しが!ありがとうございます皆さん。
それにしてもどうして竹谷君は渋ってしまうのでしょうか…やはり私が手間取っていたのが気になるんでしょうか?
だとするとありがた迷惑になってしまいますよねえ。
んー…これはなんとか挽回の機会をいただかなければいけません。
これでもこの学園の最高学年生ですからね!

あ、ではこれでどうでしょうか?

「じゃあ竹谷君、委員会は関係なく私個人として手伝わせてもらえないかな?」
「ええっ!?…っわ、わかりました!是非お願いします!!」

……なんだか、強引に承諾を得てしまった感満載で逆に申し訳なくなってきました。
でもこれでジュンコちゃんを見つければまると収まるはずですよね!

さ、いざジュンコちゃん探しへ!!






と、意気込んだまでは良かったんですがねえ?
なかなか見つからないんですよ、ジュンコちゃん。
探索はわりと得意だと自負していたので此処まで手こづるとは思ってもみませんでした。
やはり慢心は何も産み出しはしないのですね。

それはさておき。

赤い体をしているというので木々の緑や地面などとは色がはっきり違いますから、てっきり目立つものだと思っていたんですがねえ…ジュンコちゃんはかくれんぼが余程御上手なんでしょうか。
んーちょっと参ってしまいました。
探し物は苦手ではなかったはずなんですがねえ。
少し考えをまとめてみましょうか。

とりあえず目についた木陰へと座って頭の中の情報を整理することにしました。
名前はジュンコちゃん。
女の子の毒蝮で、体は赤色に黒い斑点の…お?

あの、その……首もとに何かが巻き付いて、います。
ひんやりともひやりともするこの感覚は…!?
し、視界に赤と黒い斑…!!

「…じ、ジュンコ…ちゃん?」

「ッシャー」


なんということでしょうか、これ!?


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