バイクを走らせ、辿り着いたのは天鵞絨町から少し離れた所にあるこじんまりとした神社だ。小さい頃、家族で毎年来ていた場所。
「夜中に初詣行くの初めて…!」
「そうなのか?」
「うん。年明けは家で迎えてたから」
あ、甘酒!と嬉しそうに笑う彼女を見て、自然と笑みが零れる。ああ、こんな風に笑ってくれるなら連れてきて正解だった。
「ねぇ、伏見くん」
「ん?」
「来年も再来年も、ずっとずーっと、」
一緒に新年を迎えようね。
そんな可愛らしいお願いに、繋いでいる手に力を込めた。