何で教えてくれなかったんだ、って臣が拗ねたような声音で言った。幼なじみではあるものの、臣のこんな声音を聞くのは初めてで、私は思わず顔を凝視する。
珍しく素直に表情にも感情が出てるから、何だか可愛くって笑みが零れた。きっとそれに気がついた臣はもっと不機嫌になるんだろうけど、やっぱり可愛いものは可愛いのだ。
「だって連絡先、交換してないじゃない。教えようがないよ」
「それは、…そうだが……」
…なんて、嘘だ。
連絡先を交換していないのは本当だけど、教えたくなかった理由は別にあるんだから。