綴くんはMANKAIカンパニーの脚本家兼役者だ。旗揚げ公演からずっと観に行っているけれど、彼の作り上げるストーリーはとても面白いし、役者として立っている綴くんもとてもカッコイイと思っている。
思って、いるのだけれど……
「これっばかりは、バカじゃないのって思う時もあるよね」
「…ん?何か言ったか?」
「いーえ、何も!」
一瞬だけこっちを見た瞳は、すぐにパソコンへと戻っていく。
碓氷くんはお出かけ中らしく、綴くんと私の2人きり。でも甘い雰囲気なんて皆無だ、だって彼は次の公演の脚本を執筆中だから。
でもそろそろ休ませないとな、と溜息を吐き、コーヒーを淹れる為に部屋を後にした。