夢主に願い事をしてもらった

*闇に咲く一輪の薔薇
「願いごとかー…考えたことなかったなぁ」
「貴方はあまり願う、などしないような気がします」
「まぁ…願っても無駄、って思ってたし。…あ、でも」
「何か思いついたんですか?」
「昔の僕なら先代のやその奥様、それにシエル様のことを願ったんだろうなーって思うんだけど…今は、少し違うかも」
「ほう」
「主のことは大事だし、健やかに育ってほしいって願ってるけどー…それとは別に、セバスが…笑ってくれてたらいいなって思う」
「なまえ…」
「んで、ずっと一緒にいれたらいいなーって」

結論:主優先しつつ、自分のことも。


*その途の先の果て
「七夕か…お前、何か願いごととかあんのか?」
「?何、急に」
「今日は七夕っつってな、短冊(これ)に願いごと書いて笹に吊るすんだよ」
「へー、そんなものがあるんだ。願いごとかぁ…」
「1つもねぇのか?」
「僕だって生きてるんだもん、ないわけないよー!美味しいもの食べたいとか、甘いもの食べたいとか、姫さんがずっと笑ってくれていますようにとかー」
「……お前自身は」
「うん?だから美味しいものや甘いもの食べたいって言ったでしょ?」
「目ェ見りゃわかる。…建前だろ、それ」
「!」
「姫のことは本音だろうが、それ以外にも…あんだろ?お前の願いは」
「…さぁ?どうだろーね」

結論:大事な所はひた隠し。


*未完成の恋情
「しえに燐くん、雪くんまで…何しとん?」
「あっなまえちゃんも一緒に書こう!勝呂くん達も!」
「なん?」
「短冊やん。そーいや、もうすぐ七夕やったなぁ」
「ちっさい頃は皆で七夕飾りとか、よう作りましたね」
「あー…ウチの和尚とおかんがはりきっとったわ」
「懐かしわぁ…燐くんの発案?」
「おう!笹もらったから、塾の教室に飾ろうと思ってさー」
「たまにはいいんじゃないかーと思ってね、僕も。
はい、これなまえさんの分の短冊」
「ありがとぉ、雪くん」

(しばらく皆で黙々と書く)

「出来たー!」
「志摩、何書いたんだ…って、『女の子にぎょーさんモテたい!』……」
「あははっ志摩くんらしいねー」
「志摩さん…」
「子猫丸と勝呂は、やっぱりらしいなー」

(子猫丸:立派な詠唱騎士になれますように)
(勝呂:サタンを倒す!!)

「そういう奥村かて、俺と同じこと書いとるやないか!」
「いいだろ、別に!真似すんなよー勝呂ー」
「お前なぁ…!」
「しえは?何て書いたん?」
「私は『皆一緒に祓魔師になれますように』って」
「ふふ。あんたもらしい願いごとやね」
「なまえちゃんは?」
「んー?私は『ずっとずっと笑っておれますように』って書いたんよ」
「そっか!でもきっと、すぐに叶うと思う!」
「せやね。皆一緒やもんなぁ…(ほんまの願い事は、此処では書けんよなぁ。恥ずかしゅうて)」

結論:願うは告げられない恋心。
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