最遊記

最遊記長編『その瞳は哀しみを宿して』:八戒

「あっ…あの、八戒くん!」
「どうしました?なまえ」
「あの、ですね…っこれ!受け取ってくださいませんか…?!」
「これは…?」
「チョコレート、です。その、今日はバレンタインですから」
「それはわかっていますが、…チョコだったらさっき皆さんと一緒に頂きましたよ?」
「あれは『皆さん』へのもので、これは『八戒くん』へのものです」
「僕個人に、ということでいいのかな…?」
「はい。…恋人、に、なれたんですもの…少しくらい、特別扱いと言いますか…!そういうの、したかったんです」
「―――貴方って人は…!」

―――ぎゅうっ

「きゃっ…!ちょ、八戒くん?!」
「貴方はどれだけ僕の心を奪うつもりなんですか」
「えええ……?」
「嬉しい、…死ぬほど嬉しいです。ありがとう、なまえ」


(真っ赤な顔で伝えてくれる貴方が、何よりも愛おしい)

この2人は、きっといつまで経ってもつき合いたての頃のように初々しくて、甘酸っぱい関係だと思う。

-36-
prevbacknext