サンタクロースは海をゆく!
※何でも屋夢主
「メリークリスマス!麦わらの一味諸君!!」
「…なまえ?!」
麦わらの一味の船―――サニー号を発見した私は、躊躇することなくその船の欄干に飛び移った。片手をあげてよっ!と挨拶をすれば、一瞬キョトンとした皆が一斉に驚きの声を発する。
うーん、そんなに驚くことなのかなぁ君達は。前にもこうしてやってきたことあるでしょーに。これが初めてだったら驚くのも無理ないけど、…その前に不審者扱いされて斬られかねないな、ゾロくんに。てか、最初は正にその状態だったっけ。
「わっ本当になまえじゃない!あんた何してるのよ」
「あら、久しぶりね」
「ナミちゃん、ロビンさん、久しぶりー」
ナミちゃんとロビンさんはどうやら女部屋にいたらしい。男性陣の声に何事か、とひょっこり顔を出し、私の顔を見た途端にやっぱり驚かれた。ロビンさんは笑顔を浮かべただけだけど。
うーん、相変わらずナミちゃんは可愛いし、ロビンさんは美人だなぁ。眼福、眼福!
「お前どうしたんだ?仲間になりにきたのか?!」
「ちっがうよ、どうして君はすぐにそっちにいくの…」
「なまえ、大荷物だな?それ何なんだ?」
「ん?ああ、これはねー…君達へのクリスマスプレゼントです!」
大きな袋の口を開け、じゃーん!と広げれば、ウソップくんやチョッパーくんが嬉しそうな声を上げる。さすがに他の人達は大声出したりしなかったけど、でもどこか嬉しそうなように見えて私も自然と笑みを浮かべてしまう。
余計なお世話かな、と思ったけど、これは用意して正解だったかもしれない。とりあえず、1人ずつ渡してしまおう。あんまりゆっくりもしてられないからね。
「まずチョッパーくんには医学書と、絶版になってる薬草辞典」
「ありがとう、なまえ!これ探してたやつだ!!」
「ウソップくんには絵の具とパレットね」
「おおお、これ気になってたやつじゃねぇか…!ありがとな」
「ゾロくんにはお酒ね。麦酒と迷ったけど、こっちにした。お米の酒」
「こっちの方が好みだ。すまねぇな」
「次はー…サンジくん。エプロンとカッターシャツにしてみました」
「ありがとう。嬉しいよ、なまえちゃん」
「ブルックさんにはスカーフと帽子!」
「ヨホホホ!これは素敵なデザインですね、ありがとうございます」
「フランキーさんはコーラと工具セットー」
「おお、これはありがてぇ!」
「ルフィくんにはお肉。さっき倒した海獣の」
「ありがとな、なまえ!サンジー焼いてくれー!!」
これで男性陣には渡し終えたよね、うん、大丈夫。
お次は女性2人、っと。
「ナミちゃんにはブレスレットとイヤリングのセットです」
「可愛い…!ありがと、なまえ」
「最後はロビンさん!髪留めとネックレス」
「まぁ…こんなに可愛らしいもの、私に似合うかしら」
「似合うに決まってるじゃん!ロビンさんのこと考えて選んだんだからね?」
私の目に狂いはない!と胸を張れば、ロビンさんは目を数回瞬かせて、そして綺麗な笑みを浮かべた。頬が少しだけ赤くなってるのもとっても可愛い。
ふふ、喜んでくれたみたいで一安心だな!9人分を見繕うのはなかなかに頭を悩ませたけど、でもこうして嬉しそうに笑ってくれるんだからそれもどうでも良くなっちゃうよね。
「なまえ!これからクリスマスパーティーするんだ!なまえも参加してくだろ?」
「お誘いは嬉しいんだけど、ちょっと無理かなー。もう一件、済ませたい用事があるから」
「そうなの?」
「うん。サンジくんの料理は捨てがたいけど…ごめんね」
「残念ねぇ…久しぶりに会ったし、ゆっくり話せるかと思ったのに」
むぅ、と唇を尖らせたナミちゃん。パーティーに誘ってくれるのも、残念がってくれるのも、すごく嬉しい。私は彼らの仲間でもない、ただの放浪者なのにね。ただ少しの間、サニー号に居候させてもらっただけの間柄ってだけで、言わば赤の他人なのだ。
まぁ、それを言ってしまったら私だって彼らにプレゼントを用意する必要はないんだけどー…ルフィくん達と冒険したのは、とても楽しかったからね。そのお礼も兼ねているのです。ありがとう、お世話になりましたって。
さて、あまり長居しちゃうと出発しづらくなっちゃうからそろそろ行くとしますかね。
「あ、待ってなまえちゃん!良かったらこれ、持っていって」
「なぁに?これ」
「焼き菓子の詰め合わせ。おれからなまえちゃんへのクリスマスプレゼントって所かな」
「いいの?」
「もちろん」
「ありがとう!サンジくんの作るお菓子、好きなんだ」
もらった紙袋を背負っていたリュックにしっかりとしまい、再び欄干へと飛び移る。
「今度は何も用事ない時に来なさい。ロビンと3人でお茶でもしましょ」
「あははっうん、約束ね」
「楽しみにしているわ」
じゃあまたね、と手を振り、私は欄干を蹴った。同時に指笛を鳴らせば、私の移動手段でありペットでもある鷲・ピョン吉が海に落ちる前に拾い上げ、空高く舞い上がる。次の目的地である、ハートの海賊団の潜水艦を目指して。
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