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誠凛高校、バスケットボール部。友達のリコがカントクを務めてる為、時々顔を出しに行ってたらそのままマネージャーにされ、それから早1年。辞めることが出来ずにいるだけだけどね。
だって辞めるとリコが怖いし、合宿のご飯とかさ…部員が死にそうになるの見てらんないし。と、まぁそれは建前で…何だかんだ言いつつも、このバスケ部の雰囲気が好きなんだよなぁ。
創設時から知ってるから、思い入れも強い。木吉、日向の思いも知ってるし…中学時代は女バスに在籍してたしね。とにかくバスケが好きなんだ。
「はーい、皆特製ドリンクとレモンの蜂蜜漬け!しっかり飲んで食えよー」
「…みょうじ、だからそのたまの口の悪さどうにかしろって」
「いいじゃん、日向。これっばかりは直せないんですー」
「アンタは中学時代からそうだもんね。火神くんと同じで敬語苦手だし」
「え、マネージャーって敬語苦手なのか?」
「うん。超苦手」
だから、今年入った1年にも敬語は無理して使わんでいいと先に言っておいた。特に帰国子女の火神くんは苦手みたいだねー。ま、向こうにはそういう概念がないって聞いたことあるし、仕方ないことなんだろうけど。
「みょうじ先輩」
「ひっ?!!」
突然かけられた声に驚いて振り向いてみれば、そこにいたのは1年の黒子くん。あ…相変わらず、影が薄い。
彼が入部してもう1ヶ月程、経過してんのに私はまだ慣れなくて、ついびっくり声を上げてしまうのです。黒子くんにも悪い、とは思っているのだけど…。
「く、黒子くんか…どしたの?私に用事?」
「僕もドリンクと蜂蜜漬けをもらおうと思いまして。いいですか?」
「え?あっうん!どんどん食べてー」
「いただきます」
ドリンクと蜂蜜漬けが入ってるタッパーを渡せば、お腹が空いていたのか早速パクつき始めた。今度、練習試合が控えてるし…リコの気合の入り具合も違うもんね。練習キツそうだし、お腹空くだろうなぁ。
火神くん曰く、黒子くんはかなりの小食らしいけどね。
「さっきは驚かせてすみません。でもそろそろ慣れてもらいたいです…さすがに傷つきます」
「うっ…そ、そうだよね?!が、頑張って…驚かないようには、します。はい」
「……」
「黒子くん?」
じーっと私の目を見つめて来る黒子くん。こんな近くで、しかもまじまじと顔を見るのは初めてだけど…彼の瞳、髪と同じで綺麗な水色なんだなぁ。初めて知ったわ。何だか吸い込まれてしまいそうな色…。
お互いに一切、言葉を発することなく見つめ合うこと数十秒。不意に黒子くんが「決めました」と呟いた。一体、何を決めたんだろうか?私の顔を見つめたまま、何かを考えてたのかな。
僕、努力しますから
(え、な…何を?)
(色々です。まずは先輩に驚かれない所から始めてみようと思います)
(そ、そう…よくわかんないけど、頑張って…?)
(はい。覚悟しておいて下さいね?)
((覚悟?!覚悟って何の?!!!))
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