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小学3年生の頃、それまでお世話になった町から別の県へと引っ越した。友達と離れるのは淋しかったし、何よりも…好きな人と、もう会えなくなるんだっていうのが本当に淋しくて仕方なかったの。だけど、子供の私が1人で暮らしていけるわけないし、その町には親戚もいなかったからどんなに嫌でも両親に着いていく他、方法はなかったのよね。
『絶対っ…絶対、なまえ、帰って来るから!』
『おう!そしたら俺と―――――!』
…あれ?あの時、あの男の子は何て言ってたんだっけ?
私はその言葉が嬉しくて、それで、その言葉を糧に頑張ろう!って毎日過ごしていたはずなんだけど…いつの間にか曖昧になってしまっていたことに気が付く。あぁ、でももう私だって16歳だ。引っ越したのは7年も前のことだし、記憶は薄れ行くもの…仕方のないことかもね。
それにあの男の子がまだこの町にいるとも限らないし、何より私のことを覚えているとも限らない。そもそもまた会うことが出来るのかさえ、怪しい所だしねー。
ま、それはともかく!今日は入学式だ!!友達出来るといいな〜。でもほーんと入学式までに帰って来れて良かった。途中からだと馴染むの大変だし、色々と面倒なんだもん。それに比べて入学式から来れれば、他の人とも何ら大差ないし、クラスに馴染むのも楽だもんね。
貼り出されていたクラス表で自分のクラスを確認して教室に行ってみると、早すぎたのかまだほとんど来ていない状態だった。あらら、…久しぶりに帰ってきたからって張り切り過ぎちゃったか。友達を作ろうにも、女の子全然いないよ…男の子ばっかりだ。
ま、いーか。座って待っていようっと。
「(私の席はー…あ、窓際。ラッキー!)」
いそいそと席に向かうと、私のお隣さんはもう来ていたらしく、分厚い本を真剣に読んでいる。わー、私だったら朝からそんな分厚い本読んでたら絶対に眠くなっちゃうね。本を読むの嫌いではないんだけど、どうしてなんだろうなぁ…。
カバンを置いて、お隣さんをこっそり盗み見てみれば、誰かに、似ているような気がした。んん?でも誰だったかなぁ。
「…オメー、なまえだろ?」
「へっ?!な、何で私の名前…!まだ自己紹介してないのに!」
「おいおい、オメー ―――」
まさか俺を忘れるはずないよな?
(え、ま、まさか…新くん?!)
(おー、覚えてたか)
(うそ、同じ学校…?!)
(ちなみに蘭と園子もいるぜ)
(わっ本当?!懐かしいな〜)
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