色褪せない思い出


『おーちゃんの目はべっこう飴みたいだね!』
『え?』


幼い子供というのは純粋で、素直で、そして時にとんでもないことを仕出かすし、言い出すものだと思う。現に私もそうだった。幼なじみの目を見て「べっこう飴みたいだね!」と言い出し、更に「美味しそうだね!」と満面の笑みで言ったらしい。
母曰く、その場にいた全員が固まったそうな。あ、コイツやばいって感じだったんだろうね。うん。私がその場にいたとしたら、同じこと考えると思う。
だけど、幼なじみは次の日―――…


『はい!はるにこれあげる』


差し出されたのは1粒のべっこう飴。幼なじみの目と、同じ色。


『ぼくの目はあげられないから、それあげる!』


満面の笑みでそう言われた瞬間、飴を受け取った瞬間、私の中で幼なじみの存在がそれまで以上に特別になった。





「しの、次の講義のさ…って、まーたその飴食べてるの?好きだねぇ」
「だって美味しいもん。それにこれは私の『特別』なのー」
「べっこう飴が特別って…アンタの考えてることは、たまにわからなくなるわ」


いいんだよ、わからなくて。私だけがわかっていれば、知っていればいいんだから。くだらないかもしれなくても、これは私だけの大切な秘密で、思い出。
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