春組


 デコピンをしないと出られない部屋 / 綴くん
「でこ、」
「ぴん?」
「「…なんだそりゃ」」
「思わずハモッてしまったけど、本当になんだそりゃなんだけども?」
「とりあえずデコピンすりゃ出られるんすかね、これ…」
「書いてあることが本当なら、の話だけどね」
「あー…課題の〆切も脚本の〆切ももうすぐなんで出れないのは困ります」
「困るのは私もだし、…ダメ元でやってみましょっかね」
「っすね。…女の人にデコピンするのは気が引けますけど」
「ふふ、その優しい所は綴くんの長所だと思うけど、今日は遠慮なくどーぞ」
「なるべく加減しますんで」
「はぁい。じゃあ―――…いくよ?」
(べっちんと弾く音)
「〜〜〜〜〜ってぇ?!」
「あ、ごめん、力入れすぎた…てか、綴くん全然力入れてないでしょ。痛くなかったよ」
「痛くない方がいいでしょうよ…!」


 ホラーゲームをクリアしないと出られない部屋 / 至さん
「お、ゲームなら任せろ」
「至さんお得意のゲームですもんね。お任せしちゃお」
「なに言ってんの?コントローラーは2つあるんだから、遥もやるんだよ。はよはよ」
「…一生クリアできなくても知りませんよ?」

「なんだ、上手いじゃん」
「コンティニューにならないように必死なんですよ…!怖がる暇もない!!」
「遥ってこういうのダメなタイプだっけ?」
「いや…どうなんだろ。ホラゲやる人なんていないからなぁ…ぶん殴れないのが嫌だからって」
「めっちゃ脳筋じゃん」
「でもぶっちゃけ逃げ回るの面倒じゃありません?」
「ホラゲの醍醐味ぶっ壊そうとしてるよこいつ」


 ホラー映画を5本見ないと出られない部屋 / 千景さん
「この寮のセキュリティとかどうなってるんだ?」
「いや、セキュリティ云々の問題ですかねこれ。…うわ、本当に5本もある…」
「映画を見るのはいいけど、なんでホラー一択なんだろうね」
「そんなの知りませんよ。千景さんはホラー平気な人ですか?」
「ダメなタイプに見える?」
「……見えない。怖がってる人を驚かせようとするタイプ」
「へぇ…遥は俺のことそんな風に思ってたのか」
「聞き間違いですよ、きっと。さぁ、さっさと見ましょ!どれにしますか?!」
「まぁ、聞かなかったことにしておいてあげるよ。…じゃあ、これから見てみようか」

「ぉぉ……!」
「叫ぶかと思ったのに、小さな声で驚くんだ。ちょっと意外だな」
「嫌いってほどではないですけど、怖いものは怖い。でも人を驚かせる側なら割と好きですよ」
「ははは、遥はハロウィンの仮装禁止令出されそうだね」
「もう出され済みです。あ、お菓子と飲み物まである。食べても平気なんですかね?」
「念の為、やめておいた方がいいと思うよ」


 お菓子を4種類食べないと出られない部屋 / 咲也くん
「ちょっとしたお菓子パーティーですね!あ、飲み物もある」
「食べても大丈夫なものか気にはなるけど、食べないと出られないしねぇ…仕方ない、食べますか!」
「遥さん気になるのありますか?」
「このチョコのやつかなぁ。てか、最初から4種類に絞っておいてもらいたいんだけど」
「あはは、わかります!こんなにあると迷っちゃいますよね。ん、これ美味しいです!遥さんもどうぞ」
「ありがと。…わ、本当だ。美味しいね」
「春組の皆とお菓子パーティーしたくなってきちゃいました」
「ああ…それはちょっと楽しそう」
「じゃあ遥さんも一緒にやりましょう!お菓子と飲み物用意して、中庭とかに集まってやったら楽しいと思うんです」
「ふふっうん、いいよ。やろっか」


 ダンスを踊らないと出られない部屋 / シトロンさん
「ダンス…?え、どういうダンス?何でもいいの?」
「遥、まだ続きがあるヨ」
「へ?続き?……『※社交ダンス限定』…?じゃあ最初からそう書いておけ?!」
「大丈夫!社交ダンスならワタシにお任せネ!」
「…そういえば、この人すごい人だったんだ…ええ〜…でも私、経験ゼロですよ?」
「ワタシがリードするから無問題ヨ!さあ、お手を拝借ダヨ〜」
「色々間違ってる気がするけど、最早ツッコんでいる場合ではない気がしてきた」


 ひとつのイヤホンで1曲聴き終わるまで出られない部屋 / 真澄くん
「……」
「……」
「…いづみさんじゃなくてごめんね、真澄くん…」
「本当は監督がいいけど、仕方ない……アンタだって臣じゃなくてガッカリしてるだろ」
「ガッカリという程では…?こういう恋人らしいことって、ちょっと気恥ずかしいじゃん」
「そういうもの?俺は監督と色んな事したい」
「私だってしたくないわけではないけどさぁ……あ、この曲いいな。好きかも」
「つい最近見せたライブDVDのバンドの新曲。気に入ったんなら貸してあげるけど」
「ほんと?!」
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