座談会F
31 10年前の自分
「10年前ってーと…兄貴達と暮らしてた頃、か」
「僕も孤児院にいましたね」
「んじゃ、まだ五行山に閉じ込められてた頃だ」
「山を下りて経文を探してた」
「家族と一緒に暮らしてた頃」
「よっくもまぁ、てんでバラバラだった奴らが揃ったもんだな」
「あははっ共通点は1つもありませんよね。でもまぁ…必然ってやつなんじゃないですか?」
「ひつぜん?」
「出会うべくして出会った、ってことよ」
「…くだらねぇ」
32 3年前の自分
「「この子と暮らし始めた頃」」
「声を揃えなくても…でもそうですね、2人に拾われて少し経った頃かな」
「3人と初めて会った頃だ」
「指名手配犯である八戒と香鈴を追っていた頃だ」
「若干、時間のズレはありますけどね。半年くらいですか?」
「じゃね?鷭里の一件が片付いた後だったしな」
「でももうそんなに経つんですねぇ…」
33 1年前の自分
「皆で長安で暮らしてた頃だよな」
「三蔵に三仏神からの依頼を押し付けられてた頃でしょうか」
「その頃には大分慣れちまってたけどな」
「仕事を与えてやってたんだ、感謝しろ」
「私は慶雲院で三蔵様の付き人のようなものをしていた頃です」
34 昨日の自分
「昨日、っつーと…」
「土砂降りの雨で足止め食らった」
「そうそう、朝起きたらすっごい雨だったんですよね。びっくりしましたよ」
「本当に前が見えないくらいの降り方でした。仕方ないので5人でカードゲームや麻雀をしていたんですよね?」
「で、負けた奴が勝った奴の言うことを何でも1つ聞くっつー罰ゲームつきだったんだけど…」
「三蔵様の着ぐるみ姿でハリセンは笑いました!」
「あれはしばらく笑いのネタにできますよ」
「するんじゃねぇよ」
「…まぁ、想像通りこいつらのボロ勝ちだったわけですよ」
「香鈴は麻雀で負けたけど、八戒はほんと1回も負けなかったもんなー」
35 10年後の自分
「んな先のこと聞かれてもわかるかっつーの」
「でもさすがにこの旅は終わってるんじゃないですか?その頃だと…ああ、私達三十路越えてますよ。悟空がまだ20代ですけど」
「旅を終えてのんびり暮らせていたら言うことないです」
「俺、10年後も皆でこうやっていたいなーって思うけど」
「ふふ。そうね、そうだったら素敵かも」
「10年後も野郎どもと顔を突き合わせてろって?んなの死んでもごめんだ」
「けっ!そりゃこっちのセリフだっつーの」