悟浄から見た2人
side:悟浄
「―――というわけで、僕達、付き合うことになりました。とは言っても、少し前の話ですけどね」
そう言って笑った友人は、ひどく幸せそうな顔をしていた。それこそ初めて見るような顔で笑って、思わず三蔵と顔を見合わせちまったくらいだ。
話したいことがある、って真剣な顔で言われた時は一体何事だ、と思ったが、待ち合わせ場所に梨花ちゃんと揃って現れた時に全てを理解した。ああ、ようやくか―――ってな。
「えっじゃあ梨花が前に言ってた奴って八戒だったの?!」
「あー…うん、まぁそうなるね」
その節はお世話になりました、と会話している悟空と梨花ちゃんを横目で見ながら、飲みかけのビールを一気に飲み干した。そして三蔵と話している八戒に目を向ける。
「しっかしようやくかぁ…お前も」
「しみじみと言わないでくださいよ、悟浄」
「花喃もホッとしてたんじゃねぇの?」
「あはは…今度、改めて紹介しろって言われちゃいました」
「今日、連れては来なかったのか」
「さすがにそれはどうかと思ったんですよ」
別に良かったんじゃねぇの?連れて来ても。誰一人、花喃を知らない奴はいねぇんだし…あ、でも梨花ちゃんは顔を合わせたことがあるだけで、知り合いではないんだっけか?でもあの子ならすぐに彼女とも仲良くなれちまいそうだけどなー…人懐っこい性格してるみてぇだし?きっと花喃も気にいるんじゃねぇかな、って勝手に思ってるけど。というか、俺達の中で一番喜びそうなのって…彼女なんだよね。
2人っきりの家族で、半身で、今まで花喃が一番大事だって感じで生きてきていたコイツがよ?生まれて初めて、他人に興味を持った。そんで恋をして、―――結ばれた。花喃の奴、ずっと心配してたからなぁ…八戒はいつになったら自分の幸せを考えるんだろう、って。
(幸せになれよ、八戒。梨花ちゃんと一緒に)
恥ずかしすぎて言葉にはできない思いを、紫煙と共に吐き出した。