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いつも考えていた。
異世界に行けたら。
そんなくだらないことばかりを…。
「あの世界に行けたら…私はどうするかな?」
そんな妄想は日常茶飯事。
ぼーっと歩いてるから、足元を見てなくて良くコケル。
気をつけないと!って、思うんだけど、やっぱり考えてしまう。
【漫画のような世界に行きたい】って
現実逃避?
うん。そうかもしれない。
てか、そうとしか言えないね。
私は、現実逃避をしてるんだ。
現実から逃げてばかりで。
楽しくない日々ばかりで。
生きてる気がしない。
”あの世界”で生きたら違うものになるに違いないって思ってる。
でも、実際どうなのかな…?
違う世界に行っても、逃げたいって思うだけ……なのかな。
****
「え…」
目が覚めると私は森で立っていました。
つい先ほどまで、布団で眠っていたはずなのに。
洋服を見ると寝巻きではなく、普通の洋服だった。
着替えた覚えは、全くない。
ゆっくりと、周りを見渡してみる。
「………。木ばっかり。ここ、どこだろ…」
見える限り、道は見当たらない。
適当に歩いてれば、どこかの道にたどり着けるだろうか。
こんな所に人なんている訳もなく、
心細い気持ちで、一歩前へ足を踏み出してみる。
どこかへ続く道があるか分からないけど、頼れる人がいない今、自分を信じるしかないさ。
もくもくと道ではない道を突き進む。
きっといつかは…多分きっとどこかに、たどり着けるハズ。
ふと足を止めて考える。
私がいる場所は日本のどこかなのだろうかと。
日本どこかであれば、親が私を探して見つけてもらえるのでは。
でも、森に行きますなんて伝えてもないし、まず、どこの森かも分かってない。
なぜ、こんな所にいるのかも分かってないのに見つけてもらえる自信がない。
もし、もしも…行きたいと望んでいた別の世界だとしたら?
私を知っている人なんているはずもなく、
なんとか、この森を抜けて町へ出ないと生きていけもしない。
いや、町に出ても絶望的かもしれない。
「あー。困ったなぁ」
どっちにしても、この森を抜けて町に行くか、
奇跡的に森で人に出会わない限りどうしようもできない。
そんな時、ガサガサと茂みが揺れた。
もしかしたら。そんな期待が生まれ、音のした方向を見つめる。
現れたのは、耳が異様に長い…人。
本で妖精や妖怪の類でよく見る様な耳。
私が居た世界では、こんな耳の人はいない。
本能的にじりじりと後退りする。コイツは”危険”だ。
私が動く分だけ、コイツも同じ分近づいてくる。
恐い。ものすごく恐い。目が…放せない。
ガッ。
うわっと思う間もなく足が木の根に引っかかり、尻餅をついた。
ああ、後ろにも目があれば。
なんて思っても、もう遅い。
ニヤリとコイツは嬉しそうに笑い、私に向かって跳び上がった。
ああ…。もうダメだ。
私は、きっと死ぬんだ。
そう思った瞬間だった。
ガゥン!ガゥン!
銃声のような音が二回。
ゆっくりとスローモーションのようにアイツが横へ倒れていく。
ああ、誰かがアイツを撃ったんだ。
ぼんやりとした頭で考える。
幸い私には血は掛からなかった
そして、私の前にカチャリと引き金を引く金髪の男が現れた。
「お前、何者だ」
一難さってまた一難。
ああ、この金髪に撃たれて死ぬのか。
でも、さっきのアイツに殺されるよりはマシか。
なんて、思える私はなんて落ちついてるんだろ。
自分自身で呆れてしまう。
「何者だと聞いている」
冷たいものが額に当てられる。
拳銃の銃口だ。
いつの間に近くまで来てたんだろう。
そこまで考えこんでいたのか?
なんだか可笑しくて可笑しくて、プッと噴出してしまった。
「なに笑ってやがる」
明らかにイラついた声。
癇にでもさわったか。
「いや、なんか可笑しくて」
くっくっくと腹を抱え、涙を拭きながら答える。
「お前、自分の状況がわかってるのか?」
銃口を再度押し付けられた。
「ん〜えっと、今からアンタに殺される?」
可愛らしく、首を傾げてみる。
笑顔も忘れずに。
「………」
ものすごく眉を寄せている金髪。
馬鹿にされているんだか哀れんでるんだか、
どっちとも取れる表情をしてる。
長い沈黙の後、諦めるように銃口を額から外し
踵を返してスタスタと歩き出した。
「あっ」
このままじゃ、置いてかれる。
せっかく会えた人なんだ。
このチャンスを逃がしたら終わりだ!
急いで立ち上がり、金髪の後を追いかける。
ついて来るなとは言われなかったもんね。
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