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「三蔵!」
どこからともなく現れた少年。
年齢は自分と同じぐらい……17〜18歳という所だろうか。
ていうか、三蔵って。
あの豚や河童や猿と冒険するあの三蔵か?
「え、アンタ、三蔵法師なのか?」
つい、口に出して聞いてしまった。
いやいや、まさか、三蔵法師が銃をぶっ放すはずが…。
カチャリ。と音がして銃口を向けられる。
え、そのまさかなのか!?
「だったらなんだ」
えーっ!!
声には出さなかったが、かなりビックリした。
いやいやだって。三蔵法師っていったら真面目だろ。
銃を人に向けないだろ。優しいだろ普通!
私の考えていることが顔にめちゃくちゃ出ていたらしい。
三蔵は、眉間にシワを寄せて睨み付けてきた。
こ、怖いから!
「う、噂に聞いてたもんと違ったもんだから……」
しどろもどろになりながらも、私は言った。
「噂?」
「うん。すごく優しくて、人も殺せないような人っていう。
しかも、家来を連れて旅をしてるんだよね。猿、豚、河童の」
「猿、豚、河童?」
なにか想像をしたらしく、肩を震わせて笑う三蔵。
なんだ。笑えるのか。ずっと眉間にシワがあって不機嫌そうだったのに。
「ねーねー。三蔵ー!コイツ誰?」
存在を忘れかけてた少年が、三蔵の服を引っ張って私を指差す。
「知らん」
そう言って、歩きだす三蔵。
それだけかい。そう思いながらも慌ててついていく私。
置いていかれたら困る。
「俺ね。悟空っていうの。アンタは?」
クイクイと私の服の裾を引っ張りながら、少年は言った。
悟空って。まさか孫悟空?岩から生まれた?
いやいや。物語じゃあるまいし。
ん?物語?もしかして本当に、物語の中に入ってしまったのかもしれない。
だって、この悟空も三蔵も洋服が私が知っているものと違う。
それに、耳が尖がっていたアイツ。
悟空三蔵っていえば、天竺へ向かう物語しかないよね。
想像の三蔵とは、全然違うケド。
「おーい?」
ひらひらと悟空が私の目の前で手を振る。
「ご、ごめん。考え事してた。私の名前は葵。よろしくね」
にっこりと笑顔を向け手を差し出す。
悟空も笑顔で私の手を握り返した。
「で、葵はなんでこんな所にいんだ?」
三蔵の後を二人で追いながら悟空は聞いてきた。
「なんでか、ねぇ。私が聞きたいぐらいなんだよねー」
はあ。とため息が出る。
「へ?どうゆうこと?」
パチクリと目を丸くして首を傾げる悟空。
「気付いたら森にいて、耳が尖がったヤツに襲われそうになった所を三蔵に助けて貰って、三蔵にも拳銃向けられて殺されるかと思ったけど殺されなくて、現在進行形で勝手についてきてる」
「へぇ。気付いたらってどういう意味?」
「そのままの意味」
「…?そのまま??」
悟空は意味がわからないという風に首を傾げる。
私は、答える気もない(というか、どう説明したとしても、そうとしか答えられない)ので、黙ってそのまま進む。
少し森が開けたところに、車が置いてあった。
車っていうと語弊があるだろうか。
いまいち車の知識がないから、なんて言えばいいのか……。
兵隊さんが乗ってそうなオープンカーっていうの?
そこに男がニ人乗っている。
まさか、猪八戒と沙悟浄じゃないでしょうね。
三蔵は迷うこともなく、その車に向かう。
その後を、悟空、私の順番で着いて行く。
ニ人が三蔵に気付き、私と目が合ったとき、なんとも言えない空気が漂った。
「あれ〜。女の子じゃん」
「三蔵、どうしたんですか?」
「さあな。勝手に着いて来ただけだ」
赤髪の人が、私をジロジロ見ながら言い。
黒髪で優しそうな人が疑問をぶつけ、三蔵は相変わらずな感じで車の助手席へ乗り込んだ。
「なんか、知らねーけど、困ってるんだってさー」
そう言ったのは悟空。
うん。確かに困ってる。
「あの、近くの町や村までその車に乗せてもらえませんか?」
とりあえず、町や村まで出ない事にはどうしようもないので、私はそう頼んだ。
「三蔵どうしますか?」
そう聞いたのは、優しそうな男性で。
「知らん」
三蔵は素知らぬ様子で、私の方を見ようともしない。
「三蔵!このまま、ここに置いてったら、可哀想だろ!?町まで連れてってやろうよ!」
「ダメだ」
なんでだよー!?と悟空と三蔵が言い合いになってしまった。
「あの……、やっぱりいいです。歩いて行きます……」
「ここからですと、町や村まで行くには、歩いて2〜3日ぐらいかかりますよ?」
優しそうな男性の言葉に、私は愕然とした。
どうしよう、どうしよう、どうしよう……。
頭がそれでいっぱいになる。
2〜3日歩けるの?
つか、食べ物とかだって
いやいや、そもそも
ぐるぐる色んな思考が頭いっぱいになっていたのを現実に戻したのは
「チッ!勝手にしろ」
盛大に舌打ちをした三蔵の言葉だった。
なにが一体どういう話になったのだろう……?
きょとんと見ていると、優しそうな男性がにっこり笑って口を開く。
「車に乗ってください」
「!、じゃあ!」
期待を込めて見返すと
「ええ、町まで乗せて行きますよ」
「やったー!」
「良かったな!葵!」
ぴょんぴょんと、その場で大喜びをしていると悟空が駆け寄ってきて私の肩を叩く。
「うん!ありがとう悟空!」
「それでは、自己紹介をしましょうか。僕は猪八戒と申します。こちらは沙悟浄」
「よろしくね〜♪葵ちゃん♪」
「はい。よろしくお願いします!」
優しそうな男性が猪八戒で赤髪の男性が沙悟浄か…と心の中で反芻する。
マジか……そのまさかになるなんて。
本当に西遊記の世界かもしれないのか……。
車は走り出す。
私は悟浄さんと悟空の間にちょこんと座りながら、これからどうなるんだろう?と頭を悩ませるのだった。
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管理人はトリップが大好きです。
いやー。いいよね(^^ゞ
初めて書いた最遊記
なんだか口調がおかしいような気がしますが、気になさらずにお願いします(^^ゞ
ちなみに、三蔵が勝手にしろと言ったのは八戒が言い負かしたからです(笑)
続きを書くかはまだ不明。
書きたくなったら書きまーす。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
2013.07.16
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