彼は誰時

ピピッ!ピピッ!ピピッ!

「……ん」

もそもそと私は布団から手だけを出し、音の原因を探る。
手に触れた目覚まし時計を乱暴に止めると、再び眠りにつくため布団を引き上げた。

「…ん!?」

ガバッと起き上がり周りを見渡すと、そこには見なれた自分の部屋そのもの。

「はぁ〜やっぱり夢だったんだ。良かったぁ」

恐ろしくリアルな夢だった。
なんだか体の節々が痛い。
寝相が悪かったのかなと思い湿布を貼ろうと起き上がった。

「お母さ〜ん!湿布どこにしまったっけ?」

リビングにいるはずの母親に声をかけるが返事がない。
聞こえてないのか、それともリビングにはいないのか。
いないとしても3LDKのマンションなのだ。どこの部屋に居ようと聞こえないはずはない。
いつもは母親が朝から外に出ることは少ない。
ゴミでも出しに行っているのだろうか。
薬が入っている箱や棚を探すが湿布は見つからない。
そのついでに全ての部屋を開けて母親を探すが居ない。
誰も居ないことに無性に不安になり、外に出る。
いつもなら何人か歩いている道に人も車も居ない。
近くのコンビニに走って入るが、やはり店員も客も居ない。

「……なんで?」

呆然とそこに立ち尽くす。
もしかしたらと走った先は交番。

「はぁ、はっ……誰かいませんか!?」

シンと静まり返って人の気配が一切しない。
なんで?なんで?なんで……!?

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