1、扉の向こうは
「は……?」
俺は、いつも通り家に入る為、扉を引き開いたのだが……。
ぱたん
見えたものが信じられなくて一度、その扉を閉めキョロキョロと周りを見る。
(ここは、間違いなく芹沢さんの家だよな!?)
そこは、自分を引き取った(かなり不本意なんだが)芹沢さんの豪邸。
勝手に、養子にされたあげく、ここに住む事になり、しかも高校も編入手続きをしたとかで、中途半端な時期に編入したせいで好奇の目にさらされた。
お金が溜まったら絶対に学校辞めて出てってやる!
と心に誓いバイト三昧な毎日を過ごしている。
だが、学費などを芹沢さんが払ってくれる訳もなく――結局、貯まらず消えてしまっている状態。
いつになったら出て行けるんだ。と自室で腹立ったのは、確か昨日のことだったと思う。
その時は、こんなんじゃ無かったはずだ。
井吹は再度、玄関に続くはずの扉をゆっくり開ける。
そこには、先ほど見えた古い町並みではなく、いつも通りの玄関だった。
「なんだ、気のせいかよ」
井吹はホッと胸を撫で下ろしながら、足を踏み入れた。
が、
足がつく場所に、何故か床はなく、あっと思った時には遅かった。
「っ!?うわあぁぁぁっ!!?」
踏みしめる床がなく、そのまま身体は傾ぐ。
ガクンと体が放り出され、吸い込まれるように、何故か玄関に空いた穴に井吹は落ちていった。
扉の向こうは
何故か、穴があいていました。
-----------------
ちなみに、ここの龍之介はSSLの学校には通ってません。
/
next