5
何度目かの夢で、私はユーリ達と話せないし触れられないことが判明した。
宿屋のおばちゃんには話し掛けられたし、抱き付いたっていうのに何でなんだろう。
そのおかげか何なのか、魔物にも認知されず、狙われることもない。(それは正直助かった)
ユーリ達が通る街の人にも話し掛けたりしてみたが、ダメだった。(すっごく寂しかった)
私ってば、幽霊みたいじゃないか。(みたいじゃなくて実際そうだ)
自分はストーカー顔負けのストーカーだと思う。
うろちょろユーリ達の後を追い掛けて、たまに突っ込んだりして(当たり前だけど返事は返ってこない)
さみしいけれど、ユーリ達が好きだから、夢でも近くにいられることが幸せだから。
例え話せなくても触れられなくてもユーリ達が私のことを全然知らなくても!
ああ、痛いなぁ……。
私だけが知ってる。
こんなに近くにいるのに、触れられる距離にいるのに、私は見てることしか出来ないなんて。
私は盛大にため息をこぼす。
だって誰に咎められる訳でもないし。
初めての船に乗りながら、広い海を眺める。
ベリウスに合う為にノードポリカに向かっているところだ。
といっても、その前に――。
「あっ!前、前!」
急にあたりが濃い霧に覆われると、リタが指差した。
「これは……ぶつかるわね」
冷静なジュディスの言葉に少し遅れて、大きな音を立てながら巨大な船と激突した。
思ったより、おどろおどろしいアーセルム号。
ぼそりと私は思ったことを呟く。
「うわあ。思い切り幽霊とかいそうな船だわ……」
「いいいないわよ!」
「リタっち、怖いの?」
「そ、そんなはずないでしょ!」
あれ?今……?
普通に聞き流すところだった。
私の独り言になるはずだった言葉に、リタが反応した……?
レイヴンに噛み付くリタをジッと見つめる。
だけど、リタもレイヴンも私の視線に気づくことはなく、当たり前の様にリタが私をすり抜けていった。
2016.04.14
prev /