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あれからというもの、頻繁にヴェスペリアの夢を見れるようになっていた。
そう、見てはいたのだが、ユーリ達に私は接触出来ていない。
何度か、話し掛けるタイミングを伺って接触を試みようとしていたのだ。
だが、あらぬことか奴らは私を無視し、たったか先に行ってしまう始末。
私はその事に地味に…いや、盛大にショックを受けた。
だって、私はユーリ達みんなが大好きなのだ。
ずうっと話したいと思っていて、できるなら仲良くしたいと……。
それなのに、話し掛けようとしていた私に対して目も合わせずだった。
(見える位置にいたのに!)
夢なら私の思い通りになってくれたっていいのに。とかなんとか思いながら私はユーリ達を追いかける。
もうこれは立派なストーカーだと気付くのはずっと後のこと。

そして何度目かの話し掛ける攻撃(?)を仕掛けた(もう、その頃にはジュディスが仲間になってた)。
無理やりに、そしてかなりおかしいタイミングでも話し掛けようとした私を誉めたい。

「お色気作戦……とか?」

「はいはーい!その作戦は、黒髪の少年がやるのがいいと思いまーす!」

バッと手を上げながら、てってけユーリ達の元へ向かう。
これで無視できないだろう、なんて思ってたのに。

「んじゃ、カロルよろしく」

「え、なんで!?」

目の前で話が進んじゃってます。

「ちょ、ちょっと〜、無視されると悲しいよ〜……」

こうなれば、腕でも引っ張って私の存在を知らせようとユーリの腕に手を伸ばす。



「え」

すかっと手が空を切る。
自分の手をまじまじ見つめて、ユーリを見る。
もしかして、避けられた?
見た感じ、そんな気配はなかった。
よし、こうなればヤケだ。なるようになれ!

「とりゃ!」

だっと、勢いよくユーリ目掛けて両手を広げた。
よし、抱き付ける!と思った瞬間、私はユーリをすり抜けた。

「え、…ふぎゃ!」

あるものが、あっていいものが無い。
もちろん、そのままの勢いで盛大にずっこけた。

「……い、いたい…」

なんで変なところでリアルなのか。
鼻を擦りながら立ち上がると、すでに皆の姿はなかった。

「うう、なんかひどい…」

いや、分かってはいる。
これは八つ当たりだと。
先ほどの事からして、おそらくユーリ達全員が私の事が見えていないのだろう。
そして、触れられない。

若干涙目になりながら、いじいじと地面を見つめる。

でもでも宿屋のおばちゃんには、話し掛けられたし、触れられた。
だって、抱き付いたもん。

――本当に?

……あれ、……私、抱き付いたよね?

――抱き付いた気がしてるだけじゃなく?

………………。

夢、だから…?
夢だから触れられないし、喋れないのだろうか。
そうだとしても、宿屋のおばちゃんと今と、なにが違うのだろうか。

2015.11.04

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