
夢想の糸を売る
butterfly
051
- 「いらっしゃいませ、真奈さん。」
チリンと鳴ったドアベルに反応するように向けられたその笑顔で名前を呼ばれる。
- 「こんにちは、安室さん。蘭ちゃんと園子ちゃんはまだ来てませんか?」
- 「ええ、まだ見ていませんね。待ち合わせですか?」
- 「はい。今日も女子会だとかで…」
- 「そうですか。では奥の席でお待ちになっていたらどうでしょう?彼女達もきっとすぐに来ますよ。」
- 「そうさせてもらいます。」
案内された奥の席に着くと、すぐにお冷が出される。注文は蘭ちゃん達が来てからでいいと言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。バッグから取り出したのはスケッチブックと鉛筆。写生をしているとあっという間に時間は経つ。テーブルの上に置かれたお冷をスケッチしていれば、ほら。蘭ちゃん達はすぐに来た。
- 「こんにちは、真奈さん。」
- 「蘭ちゃん、園子ちゃん。学校帰り?」
- 「そうでーっす!ガキンチョまでついてきちゃったけどね。」
- 「ああ、コナン君。こんにちは。」
- 「こんにちは、右治さん。蘭ねえちゃんに聞いたんだけど、右治さんって下の名前が真奈って言うんだってね。素敵な名前だなあ。僕も真奈さんって呼んでいい?」
- 「うん、どうぞ。」
- 「ありがとう。」
ランドセルを下ろしながらコナン君が聞いてくる。もうバレちゃってるんだから、どう呼ばれても構わない。バッグを奥に押して席を詰めようとした私に、コナン君は『僕、外が見える方がいい』とソファ席の奥に座った。
- 「こんにちは、蘭さん、園子さん、コナン君。」
- 「こんにちはー。」
- 「今日も女子会って聞きましたよ。」
- 「そうなんです。またやっと真奈さんと予定を合わすことができました。」
- 「うらやましいなあ、真奈さんとお話しができて。」
- 「ふっふっふー!同性の特権ってやつですよ!あ、私ストレートティーとシフォンケーキ。」
- 「じゃあ私はアイスコーヒーとパフェにしようかな。コナン君は?」
- 「僕はオレンジジュースだけでいいや。…あれ?真奈さん、まだ頼んでないの?」
- 「うん。安室さんがみんなが来てからでいいって言ってくれてね。」
- 「ふーん。」
- 「真奈さんは何にしますか?」
- 「私はミルクティーで。」
- 「畏まりました。どうぞごゆっくり。」
2018/01/09 掲載
2023/03/18 再掲
2023/03/18 再掲