夕暮れの美術室 *
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廊下が僅かに薄暗くなり始めた頃、美術室に向かう。
今はテスト週間なのできっと行ってもがらんとしてるんだろうな。一人で美術室だなんて初めてかもしれない。
目的の教室のドアの前に立って中の様子を伺うも、電気など着いてるはずもなく薄気味悪い。施錠されていなかったので、ガラガラと音をたてながら扉を横に引いた。
来るのが早かったのかもしれない。見渡す限り誰も居ない教室で考えた。
サキはまだか。呼び出されたはいいが、要件はいったい何…?
「うわっ!!」
反射的に叫ぶ。
いきなり右手を掴まれる感触がした。振り返ろうとする暇もなく、手を強い力で引かれてバランスを崩していた。
そのまま無様に尻餅をついてしまう。
「痛っ何すん…」
体を半分起こして見上げる。お尻が打撲のせいで、直ぐには立たずにじっとするしかない。すると何故かサキは無言のまま、私に覆い被さった。
「ちょ…」
頬を両手で掴まれる。何となく嫌な予感。逃げないとキスされると直感した。
顔を背けようとしたが、一歩遅く唇同士が重なる。
「…んも!止めて!!」
なんとか一旦は振り切るが、再び唇が重なっていた。ヌル、と舌が嫌でも唇を割って入り込んで来るのが分かる。
嫌だ。怖い。逃げたい、けど逃げられない。
顔を逸らすことを許されず、無理やり口付けを続けさせられた。水音を厭らしくわざとたてて、ひたすら犯される。
必然的にサキの唾液と舌の感触を味わう事になった。
「…ん…はぁ」
触れる舌が熱い、それでいて柔らかくて頭が変になってしまう。
気持ち悪い筈の初めての感触なのに、頭では認めたくないが感じていた。
「ごめんね、」
唇を離した時、サキがやっと言葉を話した。
「ずっと我慢してたの」
へら、と苦笑しながら涎まみれになった私の唇を指で拭う。
「今から犯すから、今日はミカコが我慢して?」
「何を…むちゃくちゃな」
制服の裾から手が伸びてきて、お腹の辺りに直に指が触れてくる。戸惑う間に首筋にサキが口付けた。
ちろ、と短く舐め上げられただけで全身に鳥肌が立った。その後ゆっくりと舌を這わされると自然と体がピクと反応して、呼吸も乱れる。
「は、……ぁあ…!」
サキの唇が徐々に這い上がり、耳に直に触れた途端、出すまいと耐えていた恥ずかしい声が漏れてしまう。
「ねぇ、もっと鳴いて」
「や、……ゃあっ」
「誰も聞こえないよ、我慢なんてしなくていいから」
私はふるふると首を横に振り、口を片手で覆った。
「…!っ、……ん…」
「必死に声を押し殺すミカコも可愛くていいけどね」
耳元で話されると温かい息がぽしょぽしょと耳をくすぐる。唇もたまに耳に当たる。
触れていなくてもいつまた、当たるのか警戒して体が勝手に首をすくめる。
「感じてるのみえみえ」
サキの唇が耳にぺたりと覆い被さり、そのまま囁く。
「感じ、て…なんかっ」
「あれ?声が震えてるよ?」
精一杯の強がりも、あまり意味がなくただの悪あがきにしかならない。
「だっ、はぁ……め、駄目、」
サキの舌は耳の溝に沿って這い出す。厭らしい声が自然と漏れてしまいそうになって、恥ずかしさで死にたくなる。
「やめっ、…ぁあ!」
私は無意味に足をバタバタとさせ、首を思い切りすくめて震えていた。
唾液のピチとかクチと立てる音が無理やり私を侵食していく。
「可愛い。ほら、ミカコの胸って柔らかくて気持ちいい」
「や、めてよ」
耳へ気を取られているうちに、ブラの下から手を滑り込ませて直に肌に触れていた。
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