あの時の妹が *
[1/5]
ほかほかと温まった体、だけど今夜は異様に部屋が寒くて湯冷めしてしまいそう。
さっきまでぬるぬると一緒にお風呂に入っていた年の離れた妹と共に寝室へと向かう。
今日は私と寝たいらしい、自分の部屋から枕を取ってきてパタパタとこちらに来る。
「うーっ、さむ!」
「さむっ、さむっ」
こころは真っ先に布団に滑り込む。私はリップとハンドクリームを簡単につけて、それに続いた。
「リップつけてたん?」
「うん、そー、そう。冬は乾燥するんよ」
「ヘぇ〜…」
リップ塗りたての唇を指でなぞられた。べとべとするね、なんてキャッキャと笑われる。
早速拭き取られたリップに多少苛々しながら、もう電気消して寝るよ。と声掛けて部屋を真っ暗にした。
もそもそと狭い布団の中で彼女は擦り寄ってきて、何にも見えないーと囁く。電気を消したばっかりで目も慣れやしないんだから私も何も見えない。まして、時間は深夜1時は過ぎていた。
ふと腕に絡まってくるこころの指先。もうじき高校生なのに甘えてくれるんだ、と思うとどうにも気恥ずかしい。そういえば身長も追いつかれてしまっていたな。
「暗いし寒いし…」
「ん〜…」
もぞ……、と私は冷えかけたつま先を華奢な細い足と絡めていた。暖を取ろうとしたのに、自分と変わらない体温で当てが外れる。
どっちも、どっちか。上も下も絡めて、密着して。姉妹だからこその、この距離感なのだろう。
沈黙が続くがまだ向こうは寝ていないようで、腕を掴む指が微妙に動いたり体を寄せてきたりと落ち着かない。
もっと構って欲しそうな触れて欲しそうな仕草に手を伸ばす。
私の肩に顔をうずくませて動かなくなったこころの髪をスルスルと撫でた。指通りのよい髪は手櫛していて気持がいい。
そうして露わになったおでこに思うまま口付けていた。
――昔々、面白半分で小学生だったこころにキスした事があった……。
物陰に隠れて、二人きりになる度にキスし合っていた。
でも、それは一時のお遊びでいつの間にか辞めてしまったな。
多分ずっとその事を覚えていて、こうして執拗に甘えてくる時があるのかな…なんて。
キスをしたくて、言葉には出さなくてもせがんでいたのかもなぁ。なんて今更ながら考える。
こころはおでこへのキスに気づかないフリをして、じっとしている様だった。もう一度ゆっくりと唇を付けると、ほんの僅かに頭が揺れたような気がした。
腕を掴んでいた指が私の方へと伸びて胸の上で止まる。服越しに手を添えられているだけだけど。
なのになんでこんなにも、心臓が鳴るのだろう。
「……小さいでしょ?」
「うん…」
「こころも私の妹だから大きくはならないだろうね」
「それは嫌っ」
「じゃあ、おっきくなる事してあげよっか……?」
私もこころの胸へと手を伸ばす。まだ膨らみかけの小ぶりな乳房をやんわり撫でてみる。
恥ずかしいのか身をよじらせるも、こちらの手つきを真似て遠慮がちに手を滑らせてきた。そのもどかしい感触に肌がたちまち粟立つ。
「お姉ちゃんのおっぱいも、大っきくしてあげる」
「大っきく……なるかなぁ…?」
私はゆっくりと乳房を揉みあげる。やわく、たまに少し力を込めて。
するとまた、同じように私の乳房を揉んでくる。
栞を挟む
* 最初 | 次へ #
1/5ページ
LIST/MAIN/HOME