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2022/02/14(Mon) 夢小説
今日はバレンタインデー。日本では女子から男子へチョコレートを贈るお菓子企業が考案したイベント。
海外では男性から女性へお菓子・花・アクセサリーを贈るのが一般的で、海外から見れば日本は異質だと聞いたことがある。
とはいえ、ここは日本。日本流らしく友チョコを量産した。
友達の京子と花に学校の教室でプレゼントしたら、とても喜んでもらえた。
「天音!」
放課後になってすぐ。荷物を纏めていると、沢田綱吉が声をかけた。
中一の時は、彼への気持ちが曖昧で……友チョコとして渡した。中身は他の友チョコと違って特別なものだったけど。
中二になった現在は物語も終わって賑やかながら平穏無事……とは言いがたい日常を送っている。
そんな彼と、物語の中で恋愛感情が芽生えて、好きになったり、すれ違ったり、いろいろと大変だったけど……結ばれた。
だから今年は特別なものにしたくて、放課後になるまで渡せなかった。
「綱吉、時間はある?」
「えっ? あ……! あるよ」
私の思惑に察したのか、期待感を寄せた表情で頷く。
ほっと安心して、綱吉と一緒に学校を出た。
途中で自宅に立ち寄って、大切なプレゼントを持って向かった先は近くの公園。
中一の時、綱吉の誕生日を祝った場所だ。
公園の一角にある休憩場で、綱吉に向き直る。
「はい、ハッピーバレンタイン!」
「ありがとう! ……開けてもいいか?」
もちろん、と答えれば、綱吉は紙袋の中から綺麗な箱を出して、蓋を開ける。
「……あっ。ガトーショコラ?」
「正解はトルタ・カプレーゼ。カプリ島発祥のチョコレートケーキで、小麦粉を使わないグルテンフリーダイエットに最適のお菓子なんだって」
イタリアの地域で誕生したお菓子だから、イタリアンマフィアことボンゴレファミリーの10代目ボスに相応しいと思う。
とはいえ、彼はボスになりたくないし、私はそれを応援しているから、相応しいかどうかは後付けだった。
「綱吉って京子やハルからも貰うでしょう? これなら飽きないし、健康的だと思って」
「へえ……! 匂いもうまそー。……食べていい?」
「うん。綱吉のために作ったんだから」
好きに食べていいと言えば、綱吉はプラスチック製のフォークを取って、食べる。
途端、一気に頬を淡く染めた。
寒さからではない。だって、笑顔になったから。
「うまいよ! 触感もいいし……これ、クルミ?」
「そう。チョコレートとクルミは合うから。本当はアーモンドが欲しかったけど、売り切れてて……」
本来はクルミやナッツを入れて作るから、これでいいのだけれど。
私的にはアーモンドチョコが好きだから、できることならアーモンドを選びたかった。
まぁ、仕方ないと割り切ったけど。
「クルミでもすっごくうまいよ。いくらでも食べれる」
「……ありがとう」
すごく嬉しそうに食べてくれる綱吉の笑顔に、ほっと安心した。
夢中になって食べる様子に、私まで笑顔になってしまう。
作ってよかった。そう思いながら、自販機で買ったホットココアを飲んだ。
海外では男性から女性へお菓子・花・アクセサリーを贈るのが一般的で、海外から見れば日本は異質だと聞いたことがある。
とはいえ、ここは日本。日本流らしく友チョコを量産した。
友達の京子と花に学校の教室でプレゼントしたら、とても喜んでもらえた。
「天音!」
放課後になってすぐ。荷物を纏めていると、沢田綱吉が声をかけた。
中一の時は、彼への気持ちが曖昧で……友チョコとして渡した。中身は他の友チョコと違って特別なものだったけど。
中二になった現在は物語も終わって賑やかながら平穏無事……とは言いがたい日常を送っている。
そんな彼と、物語の中で恋愛感情が芽生えて、好きになったり、すれ違ったり、いろいろと大変だったけど……結ばれた。
だから今年は特別なものにしたくて、放課後になるまで渡せなかった。
「綱吉、時間はある?」
「えっ? あ……! あるよ」
私の思惑に察したのか、期待感を寄せた表情で頷く。
ほっと安心して、綱吉と一緒に学校を出た。
途中で自宅に立ち寄って、大切なプレゼントを持って向かった先は近くの公園。
中一の時、綱吉の誕生日を祝った場所だ。
公園の一角にある休憩場で、綱吉に向き直る。
「はい、ハッピーバレンタイン!」
「ありがとう! ……開けてもいいか?」
もちろん、と答えれば、綱吉は紙袋の中から綺麗な箱を出して、蓋を開ける。
「……あっ。ガトーショコラ?」
「正解はトルタ・カプレーゼ。カプリ島発祥のチョコレートケーキで、小麦粉を使わないグルテンフリーダイエットに最適のお菓子なんだって」
イタリアの地域で誕生したお菓子だから、イタリアンマフィアことボンゴレファミリーの10代目ボスに相応しいと思う。
とはいえ、彼はボスになりたくないし、私はそれを応援しているから、相応しいかどうかは後付けだった。
「綱吉って京子やハルからも貰うでしょう? これなら飽きないし、健康的だと思って」
「へえ……! 匂いもうまそー。……食べていい?」
「うん。綱吉のために作ったんだから」
好きに食べていいと言えば、綱吉はプラスチック製のフォークを取って、食べる。
途端、一気に頬を淡く染めた。
寒さからではない。だって、笑顔になったから。
「うまいよ! 触感もいいし……これ、クルミ?」
「そう。チョコレートとクルミは合うから。本当はアーモンドが欲しかったけど、売り切れてて……」
本来はクルミやナッツを入れて作るから、これでいいのだけれど。
私的にはアーモンドチョコが好きだから、できることならアーモンドを選びたかった。
まぁ、仕方ないと割り切ったけど。
「クルミでもすっごくうまいよ。いくらでも食べれる」
「……ありがとう」
すごく嬉しそうに食べてくれる綱吉の笑顔に、ほっと安心した。
夢中になって食べる様子に、私まで笑顔になってしまう。
作ってよかった。そう思いながら、自販機で買ったホットココアを飲んだ。