時は平成。世の中が便利に
先進国と名高い日本には小学校から中学校までが義務教育であり、後期中等教育を行う高等学校からは自主的なものになる。それでも資格を獲得すれば就職率が上がるため、こぞって高校に進学しようと
そんな某県某所の公立高等学校に入学して、二年目の夏に差し掛かった頃、とある部活に所属する一人の少女が
「はぁ……。本当にこの部活、まともに活動しないよね」
その内の一人である少年も、気だるげに言った。
「しょうがないだろ。部長があの人だから」
窓際にもたれて
スパーンっと勢い良く閉まっていた扉を開けて登場したのは、日に焼けて焦げ茶色に変わった髪に
「悪口はいけないなぁ! 俺のブロークンハートがクラッシュしちゃうぞ☆」
外見通り明るい笑顔でハキハキと言った明良に『傷心』の二文字は似合わない。
そんなことを内心で
フワフワした栗色の髪が特徴的な、小動物のように愛らしい美少女・
「えー。明良先輩の心臓、鋼じゃないんですか?」
「いやいや、それはないから! サイボーグじゃあるまいし!」
笑顔で言った舞花に明るく否定する明良。その様子を見ている美月は苦笑い。
「舞花って意外とグサッと来るよねー。天然な分、タチ悪いし……」
「えー? 天然じゃないよ?」
「じゃあ、最近の呼び出しの意味は?」
「買い物に付き合ってください≠チて頼まれているだけだよ」
ぽわんと、あらゆる
「告白にさえ気付いてないって……」
「あいつらも
しみじみと
「ところで明良。今日こそは演目を決めてもらうぞ」
ハスキーな声で告げたのは、
どうして腐れ縁になったのか本人にも
芽久は椅子に座っているだけだが、まるで武士のような空気をまとって明良を見据える。
「この演劇部、ほとんど演劇をしないだろう。部長なんだから、いい加減しっかりしてくれ」
「お固いなぁ、芽久ちゃんは」
「ちゃん&tけするな」
ギロッと鋭い眼力で
「ま……まあまあ。明良先輩も何か考えていますよ。ね、明良先輩?」
不穏な空気を読んだ美月がフォローする。
しかし、明良は――
「実はまだ決まってない!」
「ないんかい!!」
「もうすぐ
「お……おぉう……す、鋭いツッコミだねえ」
「……部長?」
「すんません」
思わず笑顔で冷ややかな声を出してしまった美月に、これ以上怒らせたら危険だと本能的に感じた明良は反射的で謝った。
口元を引きつらせる海里と、苦笑する芽久。二人のやり取りをニコニコ顔で眺めている舞花は、ある意味大物だった。
そんな大物こと舞花は、ゆったりと手を上げる。
「はーい、部長ー」
「な、なにかなー? 舞花ちゃん」
「演劇の内容、みんなで決めればいいと思いまーす」
「ナイスアイデア!」
今まで思いつかなかったのか、まさに天の助けと言いたげに明良は採用する。
「そうと決まれば会議だ!」
まるで水を得た魚の