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序章
後悔ばかりの人生だった。
でも、生きる目標は小さくともあった。
少ないけど、その目標に
苦しくて悲しい時もあるけれど、必死に生きた。
けど、やっぱり死にたいと思う気持ちは消せないもので。
生きたい。けれど、死にたい。
二律背反な天秤に揺れる。
そんなある日、自転車に乗って買い物に行っていた時だった。
――キキィィィイイッ
甲高いスリップの音が聞こえ、驚いて顔を向けた瞬間――目の前が、暗転した。
沈んでいた意識が、徐々に
私はいったいどうしたのだろう。確か、車に
ぼんやりと思い出そうとしていると、現実味がありすぎる映像が流れ込んできた。
生々しすぎて、見たくないのに強制的に見せられる映像に嫌気が差す。
とうとう無心になったとき、光のような何かを感じた。
手を伸ばすと、記憶にない映像が頭の中に流れ込んできた。
見たことがない男女の大人。彼らの
こんな二人が両親だったら……と願ってしまう。
ありもしない幻想を抱いてしまう私は、相当現実が嫌いなようだ。
この夢から覚めたら、いつもの
それでも、現実は常に無情で……。
浮遊感に抗えず、闇の中に沈んでいた意識が途切れた。
5歳の夏。私は謎の高熱にかかり、三日間も意識がなかった。
その間に蘇ったのは、なんと前世の記憶。
どうしてなのかわからないけれど、望んでいた転生を果たしたのは素直に喜んだ。
嬉しくて、今度こそ大切な家族と一緒に生きていくのだと心に決めた。
けれど、少し
体調が回復した途端に、両親のスパルタ教育が再開したのだ。
両親から出された課題である外国語を和訳したり、日本語を外国語に翻訳したり。
お父さんは、世界一有名な科学者で技術者。
お母さんは、情報・機械・電子工学のエキスパート。
二人揃って天才だからかな。育児にも
とはいえ、二人の気持ちもわからなくはない。
天才である二人は、いろんな意味で狙われやすい。
そんな両親の弱みになる私は、人質や誘拐の可能性を防ぐために鍛えられている。
私を守ろうとしている両親の愛情を知っているから、私も頑張ろうと思えるのだ。
そうして転生の自覚を得て数年で、私は驚くべき現実を知ったのだった。
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