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プロローグ
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「ホントはね、抱えていた仕事が一つ減ったから
 なんだよ」

静かに話を聞いていた修吾が口を開く。

「いきなり時間が空いてしまったからね、
 その足で帰国したってワケだよ」
「例えそうだったとしても、一言言っておいて
 ほしかったんですけど?私は?」
「私達にも段取りってものがあるんだからね」

蒼依も依紅も揃って文句を言う。

「けど、間違ってはいなかったでしょ?
 間に合ってよかったと思ってるわ、私」
「3人の話をね、最初から聞いていたんだよ。
 タイミングを計りながら、さ」

もちろん、自分達が出るべきではないと
判断すれば一度家を出る予定だった。

「でも…助かった…」

呟くように言う蒼依。

(きっと妃奈希はいい方に転んだ)

蒼依は心からそう思った。

「あ!お鍋ふいてる!」
「あ〜もう!あちっ」
「あ、大丈夫?母さん…」

急に慌ただしくなったキッチン。そんな中、

カチャ…

控えめな音をさせてキッチンへのドアが少しだけ
開かれた。

全員の視線がドアに集中するが、誰も入ってくる
気配はない。

見兼ねた蒼依がドアの方に行こうとするが、
制止するようにその手を掴んだ修吾は自分が
ドアの方へと歩いていき…キッチンを出た。

「ま、修吾に任せましょ。彼が一番適任だわ」

恵那がそう言うと蒼依も依紅も頷いた。




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