望まぬ再開
12ページ / 29ページ


「フ…水夏の彼氏?冗談でしょう? 依紅さん。

 だってこいつは…」

「将貴!!」


気が付けば大声をあげていた。


「確かにあの時は納得できなかったし、

 何とか元に戻れないかと思ってた。

 だけどっ…」


(今の私には侑希がいる…)


「どんなに一緒にいたかったとしても!

 どんなにデートが嬉しかったとしても!


 将貴がここにいるって分かってたら

 来なかった…」


(二度と会いたくなかった)


「あなたを探してまで会うつもりはなかったし、

 かと言って許すつもりもない。


 バカにしないで!!」


水夏は依紅の制止を振り切って

元来た道を駆け出した。


「水夏ちゃんッ」


言い逃げなんて卑怯だと思ったけど、

水夏はこれ以上将貴と顔を合わせてなんか

いたくなかったし、


それ以上この場にいられない理由が

あったからだった。


「あぁもう(# `Д´)」


依紅は苛立ちを隠しきれないまま

ケータイを取り出してどこかに電話をかける。


「もしもし、あたし。水夏ちゃんが一人で

 ───── うん、詳しい事は後で話すから

 ───── お願い。私も ─── 分かった」


電話を切った依紅はケータイをポケットに

しまいながら立ち尽くす将貴を見た。


「私は二人に何があったか知らないけど、

 あんな風に傷つける事はないでしょ!?


 私にはあんたが美夏ちゃんに

 縋ってほしいように見えたわよ」


「俺が水夏に縋ってほしいって?

 冗談はやめ…」


「心ない言葉で傷つければ、

 相手は傷をおってでも自分の事を考える。


 そういう浅はかな、子供じみた考えで

 女を縛れるとは思わないことね!!」


それだけ言うと依紅も水夏を探すために

その場を後にした。


「デート…?本当に水夏が男と…?」


将貴は浮かんだ考えを否定するように

首を振ると、コートへ向けて走り出した。




Avant / Ensuite


* 栞 *

* 章 top *


* おハナシ *
ALICE+