真実
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「水夏。最初からやり直そか。

 その手の中のもん出し」


水夏はずっと握り締めていた指輪を侑希に渡す。


「勝手に外して…ごめんなさい」

「でも無くさんようずっと握っててくれたやん。

 大事なものやったからやろ?」


水夏は頷いた。


「ならええんや」


侑希は笑って水夏を見た。


「さて。改めて言うわ」

「う…うん…」


水夏はドキドキしながら侑希の前に立つ。


「沢木水夏さん」

「ハイ」

「俺と結婚してくれませんか」


差し出された左手。

みるみる内に水夏の目に涙がたまっていく。


あの時「お嫁においで」と言われた時とは違う。

お互いの気持ちが通じあってからのプロポーズ。


「今ならまだ間に合う。でも、これをはめたら

 俺は水夏を離さん。覚悟がないなら─── 」


水夏はその言葉を最後まで聞かず、

そして迷う事なく自分の左手を差し出した。


「私を侑希のお嫁さんにして下さい」


その瞬間、

緊張した面持ちだった侑希が破顔する。


「ありがとう、水夏」


そう言って指輪を薬指にはめ、

そのまま指をからめる。


そして、視線が絡まった瞬間、

どちらからともなくキスをした。




Avant / Ensuite


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