思い出
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【side:侑希】


「いってらっしゃい。気をつけるのよー」

「んもぅ、分かってるってば」


元気よく家を飛び出した女の子は

俺の横を通り過ぎて…


べしゃッ


───── 派手に転んだ。


「おいおい、エエ音したけど大丈夫かいな…」


見てみぬフリも出来なかった俺は

とりあえず声をかける。


すると女の子は顔をあげて俺の事をじっと見た。


「おにーさん、いい人だね ((ノд`*)っ))」


声をかけただけで「いい人」とは短絡的すぎる。


「アホ」


気がつけばそんなセリフを吐いていた。


「ガーン (゚ω゚ノ)ノ」


俺はすぐ近くの公園でその子の転んだ時の

傷の手当てをしてやる。


「男のくせに用意いいんだね、おにーさん」

「男のくせに、は余計や。

 お前も女やったらもっとおとなしいせんかい」

「何?差別発言??」

「…はぁ」

「ちょっと!酷くない?ソレ」


今時の元気な女の子。

ただそれだけだと思っていた。しかし…


「お母さん見た?」


それまでとは違い、妙に真剣な顔で話す彼女。


「あの人、ホントはおばさんなんだよ。

 本当のお母さんの妹」

「そんな話、俺にしてええんか?」

「いいの。おにーさん聞いてくれそうだから」


そう言って笑った彼女の隣に腰を下ろすと

「やっぱおにーさんいい人だね」って言うから

軽く小突いてやった。


「私、早く家をでたいんだ」

「何か、されてるんか?」

「ううん。みんな優しい」

「ほんならええやん」

「よくないッ…よくないの…」


そう言ったっきり彼女は黙り込んでしまった。





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