望まぬ再開
9ページ / 29ページ
【side:水夏】
「まさかね〜秋津まで結婚してるなんて
思ってもみなかったな〜」
隣を歩く水沢さん───モトイ依紅ちゃん
(と呼ぶように言われた)が、ぽつりとこぼした。
「はぁ…すみません…」
「やだ、何で謝るの。
別に私は秋津のモトカノとかじゃないし!
好きだったわけでもないし!」
「……」
「…っていうフォローもおかしいわよね…」
うん、と一人で納得する依紅ちゃん。
その姿が知った人とよく似ている事に気づいた
私は思わず笑ってしまった。
「あれ、何げに失礼?」
「あ、すみません。何だか依紅ちゃん、
行動(?)がひなちゃんにそっくりだなって
思ってしまって…あ!ひなちゃんってのは…」
「妃奈希?」
「ハイ。って…え、依紅ちゃん。
ひなちゃんの事知ってるんですか…?」
「え?」
「…え?」
────── 沈黙。
「あれ?知らなかった?
私は妃奈希のお姉さん、なんだよ?」
「そうなんですか!?」
「うん。だから宝祥とも…」
依紅ちゃんは言いかけてやめた。
兄妹になったのがそんなに嫌だったのかな?って
ちょっとだけ思った。
「ねぇ、水夏ちゃん」
「ハイ」
「失礼かもしれないんだけど、
水夏ちゃんて実際はいくつか聞いてもいい?」
「あ…年?17…です」
その瞬間、依紅ちゃんの動きが止まる。
「え? 高校生?」
「…ハイ」
そして真面目な顔で「マジで?」と聞いた。
私は黙って頷く。
「え?失礼ついでにもう一つ聞いてもいい?」
「家を出たかったから、です」
「え?」
「聞きたいのって、どうして結婚したか、
じゃないんですか?」
「そのつもりだったけど…」
「…じゃあこの答えで勘弁してください」
依紅ちゃんは他にも聞きたそうな顔をしていた。
でも私はそれ以上はつっこまれたくなかったから
早々に話を切り上げてしまう。
(ごめんなさい…)
心の中で小さく謝った。
ALICE+