彼が連れてきた人
「沙織姉ちゃん!」
『……なんだい少年』
コナン君が、私が居た書斎に見知らぬ青年と立っていたために思わず、少年と呼んでしまったのは致し方ないことだと思う。
美青年だね……
値踏みするように見てから、優作さんの新作を読むことにした。
「沙織姉ちゃん……興味抱こうよ」
『……誰、その人』
「沖矢昴さんだよ!お家が火事になってね、お家が無くなったからこの家に住んでもらおうと思うんだ」
それってさ、拒否権ないじゃん……
溜息を飲み込んで、友人である新一の頭を撫でてから、彼を見た
「沖矢昴です」
『……観月 沙織です』
「沙織姉ちゃんは、頭はいいから昴さんの話も合うと思うんだぁ」
何気にバカにしてるのか……このガキ。
両頬を抓ると、コナン君は、痛いと非難してきたけれど、無視した。
「ホームズがお好きなんですか?」
『……ジャンル問わず好きですけど』
「沙織姉ちゃんは、翻訳なしでも読めるもんね」
それがどうしたよ……
なんか問題あるか?
そして、奇妙な同居生活が幕を開けた……
(観月さんは幾つなんです?)
(17歳……あなたは)
(27歳ですよ)
(ふぅん)
((疑いの眼差しだな))
.