――はむ。



なにこれうま。



すごい。



なんかぜんぶひらがなひょうきになるくらいこのまかろんはおいしいとおもいました。



くちのなかでかくめいがおきている…!



高級マカロンの美味しさに意識を飛ばしていると辺里先輩が横からつんつんとつついてきた。



「それで、結木さん。おうちの人は…」



「あ、入っていいって言われたよ」



上の空で答えつつ次のマカロンに手を出す。



「本当!?」



辺里先輩が驚きの声を上げると同時に、相馬先輩がややの肩をガッとつかんだ。



ちょっと痛い、ついでに意識が現実に戻ってきた。



「そんじゃ、新メンバー…Aチェアだな!」



ガクガクとややを揺さぶりながら相馬先輩は快活に笑う。



よ、酔いそう……。



「よろしくね。ややちゃん!」




その隣で藤咲先輩が手を叩いて喜んだ。

どうでも良いけど、この人ほんとに美人…。笑顔とか超綺麗…。



ブレまくる視界の中そんなことを思った。



相馬先輩からようやく解放されたややは、





「こっちこそよろしくお願いします!辺里先輩、藤咲先輩、相馬先輩…う、呼びにくいなぁ。皆名前で呼んでいい?いっそ呼び捨てていい?」



「もちろん。俺たち、もう仲間だろ? 俺もややって呼ぶぜ!」



「じゃあ、空海、なでしこ、唯世。 これからよろしく!」



『よろしくっちゅ!』



ぺぺちゃんもお行儀よくお辞儀する。



そんな風に和やかに話すやや達に突如割り込む声。



『では、新たな下僕が増えたということか』

唯世のしゅごキャラ、キセキのものだ。

「ちょっと。だめだよキセキ、そんな言い方…」

それを唯世が嗜める。



そんな様子を見ていて思ったことをややは素直に言葉に乗せた。



「キセキって、唯世と結構キャラ違うよね〜」



「そ、そうだね」



唯世は気まずげに目を逸らした。



空海となでしこはちょっと面白そうに、にやにやニコニコしている。

??

どうしたんだろう。疑問に思いつつ話を続けた。



「キセキは王様みたいだけど、唯世は…王子様って感じ?」



そう言った瞬間。

唯世の目がカッと見開いた。

そして何やらブルブルと震え始める。



「いま……王子って…」



「どうしたの!?ご、ごめんね、嫌なこと言っちゃった?」



その尋常ではない様子にややが慌てていると。



「やべ」

「あらら。やっちゃったわねー」



後ろから先輩2人の言葉の割に弾んだ声が聞こえてくる。

2人のしゅごキャラたちもやれやれみたいな雰囲気を醸し出してーって、

ほんとに何!?



事態を呑み込めず、右往左往していたら、唯世が椅子を蹴倒して猛然と立ち上がった。

そして――。



「僕を……王子って呼ぶなぁぁあ――ッ!!」



「ひえっ!?」



響く絶叫、驚きのあまり固まるぺぺちゃんとやや。

そして、外野を決め込むなでしこと空海。

あまりの剣幕にびびったややは思わずぺぺとキャラチェンジ。



まさにカオス。



そんな騒ぎが収束するまであと10分。






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