「それじゃあ、ちょっと脱線したけど、改めてガーディアンの仕事について説明するね」
キリッとした表情の唯世がそう切り出す。
しゅごキャラたちは外に散策に行ってしまい今はここにはいない。
「お願いしまーす」
ややも同じく真剣な瞳でそれに答えた。
「ガーディアンの仕事は、基本的には普通の生徒会と変わらないんだ」
「ふむ」
って、その普通の生徒会に入ったことないから、ややはよく分かんないんだけど。
「書類整理とか、判子押しとかの事務仕事。あとは生徒の要望を聞くとかな〜」
首を捻ってると、空海が横から補足説明してくれる。
おお、ありがとう。
「ふーん。そんな感じか〜」
ガーディアンなんて大層な名前付いてるけど案外地味だな、なんて失礼な感想を抱く。
「結木さんはそういうの得意そうだよね。1学期にやった学力テスト、3年生で1番だったし」
「そうだっけ?」
1学期にやった……?
そういえばそんなのあった気がするけど。
「えーっ!?なんだよ、同類だと思ってたのに」
空海が驚きの声を上げる。
なるほど、確かに空海はザ・スポーツ少年って感じで勉強が得意そうには見えない。
「もう、相馬くんたら。失礼よ」
そう告げるなでしこには何でもできそうなイメージがある。
「なんで俺と同類だと失礼になるんだよ!」
QとJがじゃれあっていると、Kが仲裁に入った。
「ま、まあまあ、2人とも。でも、結木さん凄いよね。塾にも通ってないのに」
唯世の言葉にちょっと照れくさくなった。
ややは、勉強には手を抜かないことにしている。
勉強が特別好きとかそういうわけじゃないけど、おじさんとおばさんに成績不良で迷惑かけたくないし。
特に意識したことなかったけど、こんな風に褒められると調子に乗りたくなってしまう。
「えへへ…まあそれ程でもあるかなぁ〜?崇め奉れー空海」
ややの中で完全に弄りやすい立ち位置になっている空海に振る。
なんでだろう。この中で一番年上のはずなのに、空海からは弄られ慣れている末っ子の気質をひしひしと感じる。
実はお兄ちゃんか、お姉ちゃんがいたりして。
「何で俺が…この、調子に乗りやがってー!うりゃうりゃ」
そんなことをつらつらと考えていたせいで、突然の事態に対処できなかった。
なんと空海が昨日のようにややの頭をぐしゃぐしゃに撫で回してきたのだ。
「あーっまた髪の毛ぐっちゃぐちゃになっちゃう!やーめーてー」
「そ、相馬くん…」
唯世がおろおろし始めたその時!
ややを彼奴(きゃつ)の 毒牙から救うべく、1人の戦士が立ち上がった。
「待ってて、ややちゃん!ややちゃんの髪は私が死守するわ!!」
ややの髪を空海がぐちゃぐちゃにしていく端から、なでしこが高速で綺麗に整え……ってあれ?何か最初ややがしてた髪型とは違うような。
その様子を見ていた唯世の発した一言がこちら。
「…まさに、神業」
空海も慄く。
「なでしこ、お前すげーな!!」
そしてややは混乱の極致。
「な、なになに何なの!?なにが起こってるの?」
なでしこは手を止めて、満足そうにフッ、と笑った。
ポーチから手鏡を取り出し、ややに突きつけてくる。
それを恐る恐る受け取り、鏡を覗くと――。
「御覧なさい。これが"新しい髪型"(ニュータイプ)よ」
二つに結んだ三つ編みをリング状にして留めるあの髪型――プードルヘアになったややがそこには映っていた。
「なにこれかわいい……」
ややは呆然と呟いた。
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