「なでしこ、すっごーい!今度やり方教えて〜」
なったことのない髪型にされ、ややが興奮してなでしこに詰め寄ると、なでしこは整った髪型を崩さない程度によしよしと頭を撫でてきた。
優しくなで付けるようなその動きに目を細める。
気持ちがいい。
ママがいた頃は、こんな風に撫でてもらった事もあったけど、最近はなかったからちょっと嬉しい。
「はいはい。何だか妹ができたみたいで楽しいわね」
なでしこにゴロゴロ甘えていると、空海がにしし、と笑う。
「なでしこは今まで紅一点だったから、やっと女子のメンバーが入ってきて、嬉しそうだなっ」
「あらーそう見える?」
「見えるぜ!」
軽快に繰り広げられる会話になんら不自然な所はなかったが、
「あー……」
ややの視線の先にいた唯世が少し青白い顔で明後日の方向を見たのがなぜだかとても気になった。
でも、触れてはいけないような気配を感じたので放っておいた。
ややは空気の読める女だ。
「ほら、みんな席に戻って。説明まだ終わってないよ」
「「「はーい」」」
唯世が告げると、全員素直に席に戻った。
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