人目につかない路地裏で、1人の低学年と思しき小学生が2人の上級生に囲まれている。

今は通学時間帯。

哀れな少年は不良に絡まれてしまったのだ。


「おい、鈴木よー。オマエきのう小遣い貰ったんだろ」

「だろー?」


不良2人がニヤニヤと嗤う下で鈴木少年は体をこれ以上にないくらい縮める。


「い、いやでも、ぼくはそのっ…こ、これで今月の虫チャンプを買おうと」


それでも逃れようと、かぼそく震える声で言い返したが、不良たちは一向に引く気配はない。


「つべこべ言うなって、オマエとオレらの仲じゃん」

「仲じゃんー?」

「うううううう」


詰め寄られて、少年の涙腺が決壊しそうになったその時。


「ちょっと」


1人の少女が通りから颯爽と現れた。

私立聖夜学園のきちっとした制服をパンクに着崩し、頭には赤いバツのピン留め。

普通にはないピンク色の髪も相まって、小学生とは思えない威圧感がある。


「ああ?」

「何だ?」

「あ、貴女は…!!」


その姿を見て、さっきまで怯えていたのが嘘のように少年が目を輝かせた。


少女が憮然とした表情で言い放つ。


「通れないんだけど」






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