2人と協力して、なんとか総会を切り抜け、ロイヤルガーデンでぐったりしてるところに唯世が帰ってきた。

「ご、ごめんね。皆におしつけちゃって」


しおしおとあんまり申し訳なさそうに言うもんだから、ちょっとからかってみたくなって、


「ほんとだよぉ〜」


なんて言ってみたり。


そうしたらますます小さくなっちゃったので、慌てて「冗談だよ」と返す。


そもそもK1人に全部総会を任せっきりにしている体制に問題がある、と今日のでわかった。


だって皆の前で話すのって凄く疲れる。


唯世に甘えてたのはこっちの方だ。


今度からは出来るところは分担してやろう。







「……!?キャラなり…?」


唯世が告げた事実に驚き、言葉を反芻する。


あむちゃんを追った唯世は、とある工事現場であむちゃんと月詠イクトが対峙しているのを発見したらしい。

そして、なんか色々あって、あむちゃんが高所から落ちたところを助けようとしたらあむちゃんがキャラなりした、らしい。


「キャラなり。結木さんは、知らないかな?」


「知ってるよ」


というか出来るよ。

とは、やっぱり言えないけど。


「キャラなりは、確かしゅごキャラの力を120%くらい引き出す状態だよね」

『二割増しってことでちゅね』


「うん。
キャラなりが出来るキャラ持ちは数少ない。
歴代ガーディアンの中でもほんの一握りだ。
彼女の場合は……、多分ハンプティ・ロックが何らかの力を発揮したんだろうね」


ハンプティ・ロック?

でもあれは、学園内にあるはずじゃあ…?

遠距離でも効果があるのかな。


そんな疑問を投げかけると、唯世はいや、と首を振った。

違うらしい。


「…今日、月詠イクトに盗み出されていたんだよ。ヤツは聖夜小に侵入したみたいだ」


なるほど。

この学校の警備ってどうなってるんだ。


「今は、日奈森さんに預けてあるけどね」

「ふうん」


空海が相槌を打った。


……あむちゃん、か。不思議な子。


「明日にでも招待状を贈った方が良いわよね」


そう言うや否やなでしこがどこからかレターセットを取り出して招待状を書き始めた。

なでしこの方に椅子を寄せて覗き込む。


おお相変わらずすごく綺麗な字。


教科書のお手本みたい。


いいなあ、ややもこんな風に綺麗に書けたらいいのに、なんて見るたんびに思う。

なでしこ…唯世も、綺麗な字を書くのだ。

ややの字は下手ではない、と信じたいけど、お世辞にも綺麗とは言えない。


あーガーディアンに空海がいてよかった。


「……オイ、やや。なんか今すげー失礼なこと考えなかったか?」

勘の良いやつがこっちを振り返ってきた。


げっ。


「ナ、ナンノコトカナ?」


やや分かんない。





そして、翌日の放課後。

ロイヤルガーデンにて招待状を受け取ったであろうあむちゃんを待ち構える。

が、なかなか来ない。


う〜ん。でも、確かにたった1人でこんな豪華な建物に入るのって多分気が引けると思うんだよね。ややもそうだったし。


しゅごキャラが3人もいるって言ったって、今日昨日生まれたばかりじゃ信頼関係も微妙だろうな。


緊張しいの子みたいだし、何かちょっと心配になってきた。


もしかしたら緊張しすぎて立ち尽くしているかもしれない。

外で待ってて2人で一緒に入った方があむちゃんも気が楽…かな。


「ややちょっと外見てくる〜」

『むぅ?ややたんが行くならぺぺも行くでちゅ』

「ありがと」


ぺぺちゃんを連れて、いざロイヤルガーデンの外へ。



「うっ、近くまで来るとゴーカすぎてキンチョー…」



果たして彼女はロイヤルガーデンの前に立っていた。

きぃ、とややが扉を開ける音に反応して、びくりと体を震わせる姿からは昨日会った時のクールな印象は感じられない。

人見知りなんだよね、確か。

警戒させないように笑顔で…。


「こんにちは!」

「こ…こんにちは…?あっ、キミ、昨日の…」

『だれ?』

『この子もガーディアン?』


挨拶すると、あむちゃんと目があう。

しゅごキャラたちはあむちゃんの周りをふよふよしていた。


「えへへ。昨日会ったよね?日奈森あむちゃん。ややは、ガーディアンのAチェアの結木やや。
あむちゃんより一つ年下だよ。そんでこっちは、"ぺぺ"ちゃん!よろしくっちゅ」


『ちゅ』


軽く自己紹介すると、何故かあむちゃんはびっくりした顔になった。



「えっええ!?この子にもしゅごキャラが…!?」


あ、なるほど。知らなかったのか。

唯世め。教えてあげればいいのに。


「そ、ガーディアンはみーんなしゅごキャラ持ってるの!っていうか、しゅごキャラを持ってることがガーディアンに入る条件なんだよね。まあ、詳しい説明は唯世がしてくれるよっ」


取り敢えず入っといで〜、とあむちゃんの手を引っ張る。


「わ、わわっ!?ちょっと待って」


そんな感じであむちゃんを連れてロイヤルガーデンに戻った。


「あむちゃん、獲ったどー!!」


大声で帰還を告げる。

空海がいい笑顔でサムズアップしてきた。


「ナイス、やや!!」


ややもそれにビッ、とサムズアップ仕返すと、唯世がにこり、と微笑んだ。

あ、あむちゃんの顔がちょっと赤くなった。

本当に唯世が好きなんだなあ。


「ロイヤルガーデンへようこそ、日奈森あむさん」













目次に戻る
topへ戻る

ALICE+