まず、ややたちガーディアンが自己紹介。
ややはさっきやったから省略した。
そして、あむちゃんの番が回ってくる。
「え、えっとお、あたしは…」
まだまだ緊張が抜けきらないのかカチンコチンのあむちゃんになでしこが助け舟を出す。
「大丈夫よ。みんな、貴女のことならなんでも知ってるわ、日奈森あむさん」
「えっ」
ね?、というアイコンタクトをなでしこが送ってきたのでややは大きく頷く。
「ホントに人見知りなんだぁ、かーわーいーいー*」
それに空海も追従する。
「あとは…えーっと、怖い話が苦手なんだってな」
「な、なんでそれをっ!!」
驚愕するあむちゃんに、なでしこがこともなげに答えた。
「生徒の個人情報を管理するのが、ガーディアンの役割ですから」
「逆にプライバシーの侵害じゃん!!」
そ、それについては、悪かったと思うけど…。
あむちゃんの反応って注視してれば露骨っていうか。
分かりやすいよね?
「そして貴女のしゅごキャラ、"ラン"、"ミキ"」
ほほう、赤いチアリーダーみたいな格好をしてる子が、ランで、青いベレー帽をかぶってる子がミキか。
というか、しゅごキャラの情報なんてなでしこどうやって手に入れたんだろう。
「…っ、その、しゅごキャラって一体何なの…?
教えて…!!」
あむちゃんがそう言うと、唯世が一冊の絵本をあむちゃんに手渡した。
あれは……
「これを読んでみて」
"こころのたまご"
ややもガーディアンに来たての頃に見たことがある。
――こどもはみんな、こころのなかにたまごをもっている
――めにはみえないこころのたまご
――おとなになるときえてしまう
「あれ?…途中でページが破れてる…」
「その絵本はね、ガーディアンの設立者である初代Kが書いたものなんだよ。
こころのたまご…何かに似てると思わない?」
唯世が問いかけると、あむちゃんはハッとした表情になる。
「……しゅごキャラも、たまごに入ってた…?」
ややは、食べてたスコーンを飲み込んでから横から補足説明を加える。
「皆が持ってるこころのたまご。
でも、たまーに、ヘンテコなたまごもあって、そこから出てきたもう1人の自分。それがしゅごキャラなの」
ここで唯世が畳み掛けるように勧誘をする。
「僕たちガーディアンは、しゅごキャラ持ちの人間が代々メンバーになっている。…だから、日奈森あむさん。キミも、ガーディアンに入って欲しい」
「えっ…?」
戸惑ってる、戸惑ってる。
でも唯世が好きならここで断ることはない、かな?
「やだ」
……あ、あれ?
予想に反した答えに、一瞬場が静まり返る。
「えっと、それはどうして?」
何かやれない事情でもあるのだろうか。
思わず疑問がややの口をついた。
「……その。ロイヤルケープを着るのが、嫌だから…」
ケープって。
ケープ?
「それだけ…?」
「そっ、それだけって大事なことじゃん!どーしたってあたしのファッション哲学と美意識に反するし…!!」
そ、そうかなあ?ややはこれ結構可愛くてイイと思ってたんだけど…。
まあ、たしかにあむちゃんのカッコイイ路線の着崩しには合わないかもしれない。
そのあんまりな理由に空海が耐えきれず吹き出した。
「ぷ、あははっ!なんだぁ、コイツおもしれー。
ごうかく!!」
「だっ…入んないってば!!」
「日奈森さん」
その攻防を見て、最終兵器唯世が動き出す。
やったれ、そのキラキラスマイルで悩殺してしまえ!
「どうしても、ダメかな…?」
「うっ」
こうか は ばつぐんだ!!
あむちゃんは怯む。
やったか…?
「い、いくら…王子の頼みでも…そんなの入ったらまたクラスで浮いちゃうの確実だし…」
なにやらごにょごにょ言ってるのが聞こえる。
あ。あむちゃんよ、王子は禁句。
唯世に聞こえてないみたいだからいいけどさ。
「ごっ、ごめんなさーい!!」
「あ」
キャパオーバーしてしまったあむちゃんが走り去る。
早すぎて止める間もなかった。
…ううん、しかしなるほど、恋より友情派なのか…。
これは手強い。
「これから、どうする?」
なでしこが穏やかに微笑んだ。
「もちろん。ここで引き下がるガーディアンではなくてよ」
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